総合マーケティングビジネスの富士経済(東京都中央区)は、ZEHやスマートホーム、高断熱・高気密住宅、自動制御型DR(ディマンドレスポンス)サービスなどの市場を調査し、「2025年版住宅マーケット別建築・機器・サービス市場調査」としてまとめた。2040年度のストック市場においては、ZEHが235.1万戸(24年度比3.4倍)、ZEH-Mは394.4万戸(同5.9倍)に達すると予測した。
27年度にはZEHの定義が断熱等級6・一次エネルギー消費削減率35%に引き上げられるほか、高度エネルギーマネジメントや蓄電池の設備が要件に加わる予定。そのため、同調査では、30年度におけるZEHの新規採用はやや減少し、短期的な取引となるフロー市場では10万戸を下回ると指摘。一方、同年度以降は利点が広く伝わることで再び採用増加が予測されるとした。集合住宅のZEH-Mは、2040年度のストック349.4万戸を見込む。

ZEH/ZEH-Mのストックの推移
スマートホームについては40年度、ストック市場で343.8万戸、24年度比では14.1倍に達すると予測した。スマートホームシステムの採用は、販売価格や賃料の上昇が期待できることから、差別化を目的にハウスメーカーやデベロッパーが導入を進めている。生活者の認知が向上していることも市場の追い風となり、今後は新築を中心に導入が増加。順調な市場拡大が予想されるとした。
断熱等級6以上のストックは200万戸超に
断熱等級6・7以上の性能を持つ高断熱・高気密住宅については、ストックが40年度には203.9万戸に達すると予測。24年度の13.8倍になると見込む。同調査では子育てグリーン住宅支援事業で設けられたGX志向型住宅や、27年度以降、ZEHの定義が断熱等級6相当に引き上げられることなどが、市場拡大を後押しするとした。
住宅用蓄電システム、エコキュート、ハイブリッド給湯器などの住宅機器を電力リソースとして電力需給バランスの自動制御を行うDRサービスに対応する住宅についても調査した。国内の住宅政策として再生可能エネルギーの自家消費拡大が掲げられていることから、住宅用蓄電システムなどの設備機器の拡販に向け、同サービスの提案が広がると予測する。その上で、ストックにおいて25年度の見込みは1.2万戸だが、40年度には12.4万戸に達すると見込んだ。
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