オープンハウスグループ(東京都千代田区)は12月9日、グループ会社の設計士192人を対象に「家が広く感じる設計術」のアンケート調査の結果を公表した。調査は、年間約1万4000棟を供給する同グループで実際に行われている工夫25項目を対象にしたもの。これを物理的視点(実際の気積増加)と心理的視点(視覚的開放感)の両面から評価している。設計のプロフェッショナルから、コンパクト住宅を広く感じさせるための最も効果的な空間活用術として選ばれたのは勾配天井における工夫だった。
勾配天井は屋根形状を生かして天井を斜めに高くする手法だ。通常の平天井より頭上の空間が広がり、開放感が生まれる。天窓を設ければ太陽光が部屋奥まで届き、明るさが大幅に向上。斜線制限で2階が小さくなりがちな敷地でも、下屋部分を活用して空間を最大限確保できる。設計士からは「構造的な間取りへの影響が少なく、3次元的に広い空間を実現できる」といった声が寄せられた。
2位の吹き抜けは1階と2階の間の床を一部取り払い、上下を縦に連続させる設計だ。天井高がほぼ2倍になり、圧倒的な開放感を生む。高窓やトップライト併用で採光量が増え、家族が別の階にいても声が届きやすく、コミュニケーションが円滑になるメリットも大きい。設計士からは「物理的に天井高を2倍近くにできる」「高窓により光量が増大し、広く明るく感じる」などの理由が挙げられている。
3位は大開口窓だ。壁一面を占める大型窓で、外の景色を大胆に取り込み、室内を明るく開放的に見せる。「窓面積を大きくすることで景色が広く見え、空間が広くなる」といった意見が挙がった。以下、4位がスケルトン階段、5位が折り上げ天井となっている。

勾配天井や吹き抜けが上位にランクインしたことを受け、同社はこれらの設計が室内の気積を増やす物理的効果と開放感をもたらす心理的効果の双方に優れると説明。その上でコンパクト住宅では「垂直方向の空間の広がり」と「光量を意識した設計」が重視されていることが分かったとした。
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