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性能向上リノベの会の「ZEH水準を超えた 断熱 ・省エネ改修プロジェクト」(2024年度サステナブル建築物等先導事業[省CO2先導型]採択)が各地で進んでいる。11月10日には夢・建築工房(埼玉県東松山市)のリノベ現場で見学会を開催。改修を確認申請が不要な範囲にとどめつつ、同事業の要件をクリアするポイントを、社長・岸野浩太さんに解説していただいた。【編集長 荒井隆大】
コストや法の制限の中、
新築同等の性能を出すポイントは?
建物は築35年の木造2階建て住宅。改修によりUA値0.30W/㎡K、一次エネ削減率38%(BEI0.62)まで性能が向上した。サステナブル建築物等先導事業(200万円)に、先進的窓リノベ2025事業で150万円、計350万円の交付を受けている。
point1 全体を付加断熱+1階だけ充填断熱
壁は、モルタル外壁の上に2階までネオマフォーム60㎜厚を外張り。1階は既存の断熱材(グラスウール10K50㎜厚)を撤去し、新たに高性能グラスウール16K105㎜厚を充填したが、2階は予算の関係上、気流止めの施工のみにとどめた。「真っ黒になった断熱材は取り換えたいが赤字は避けたい。どこまでやるかがリノベーションの最も難しいところ」。
足元は浴室を除いて床断熱で、根太間にネオマフォーム45㎜厚、さらに根太の下にも同45㎜厚を施工。「根太が熱橋になるので、必ず根太の上か下を断熱材で覆う」。上部は天井断熱で、グラスウール22Kを400㎜吹き込む。
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point2 “こじつけ”でもいいから気密ラインをそろえる
1階の壁と天井は新しく断熱材を施工するため気密シートを張る。一方、2階の壁は既存の充填断熱をそのままにするのでせっこうボードで気密を取ることになる。「(気密のラインが)床から壁、天井までが必ず通るかを考えれば答えは見えてくる。こじつけでいいから気密ラインを一体化させることが大事」。
point3 不要な窓はふさぐ
「昔の住宅は不要なところにも窓がついている」ので、暗く眺望も悪い北面の窓を合板でふさいだ。防火規制がかかるエリア(22条地域)なら外側にモルタルなどを塗って防火構造にするが、今回は予算の厳しさもあり、外壁側はモルタルと同じ厚さの胴縁を打って付加断熱材を張った。つなぎ目には気流止めとしてウレタンフォームを吹き、空気の流れを止める。
point4 既存の筋かいを残し過半以下に
確認申請を避けるため、行政とも協議しながら改修の内容を決めた。外壁はカバー工法で改修。既存の筋かいを触ると過半に該当するため、残して新しい筋かいを追加。耐力面材もホールダウン金物を増やす必要があったため使わない。「解体して筋かいの位置などを確かめたうえで、既存を残す前提で補強計画を立てた」。補助金の利用も踏まえ、まずは一般診断法で検討し、最終的にはホームズ君で壁量計算を行う。
point5 間取りを変えない
2階のベランダを撤去して1階を少し増築したが、それ以外はほぼ既存の間取りのまま。間取りこそ変更のニーズが高いように思えるが、実は「間取りを変えずに断熱性だけ等級7レベルにしたいという要望が多い」。中古リノベではリフォーム(水まわり交換や屋根・外壁の塗り替え)済みの物件を選べば工事費が抑えられる。
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| 開口部の性能向上は内窓設置ではなくサッシごと交換するのが原則 | 浴室部のみ基礎断熱に。人通口にも断熱・気密タイプを使用 |
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| 付加断熱の下に既存のモルタル外壁が見える。サイディングの場合は重いため必ず剥がす | 1階の増築部。新たにかけた梁を支える柱を増設 |
この記事は新建ハウジング11月30日号8面(2025年11月30日発行)に掲載しています。
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