建設業福祉共済団が11月12日に公表した保険事故の実態調査結果(PDF)によると、2014年度から2024年度までの10年間で保険契約者から連絡があった重度の事故(死亡、障害1~7級、傷病1~3級)の件数は合計714件で、このうち34.6%に当たる247件が「墜落、転落」によるものだった。次いで「はさまれ、巻き込まれ」129件(18.1%)、「崩壊・倒壊」70件(9.8%)の順となっている。
年齢別では「35歳未満」が12.5%、「35歳以上65歳未満」が57.1%、「65歳以上」が30.4%となり、被災者の高齢化が浮き彫りとなった。いずれの年齢区分も「墜落、転落」「はさまれ、巻き込まれ」が上位2位を占めている。このうち「35歳未満」では、道路での「交通事故」が11件(うち15歳~24歳が7件)発生しており、移動中や作業中の交通安全に留意する必要がある。「65歳以上」では5位に「転倒」(14件)が入った。
また事故報告のうち約7割に当たる499件が死亡事故という結果に。年齢別に死亡が占める割合を見ると、「35歳未満」では76.1%、「35歳以上65歳未満」では70.1%、「65歳以上」では67.8%となった。死亡者のうち外国人の3人は20代前半だった。

事故報告の割合(統計資料より作成)
地域別では、「東北」(157件)、「九州」(154件)、「関東・甲信越」(116件)で、報告件数が100件を超えた。いずれも4割近くが「墜落、転落」に起因している。
同団は、「被災者の高齢化が年々進行し、重度の傷病障害はいずれも65歳以上が最も多い。担い手不足で高齢者に活躍してもらわなければならない現場が多いため、安全対策と併せて労災の上乗せ補償となる保険の備えが必要だ」と述べている。
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