![]()
前年度の売上高44億円から、2025年度は71億円へ。驚異的な成長を遂げているGハウス(大阪府大阪市旭区)の強みは、性能・デザイン・コストパフォーマンスが高いレベルで実現された自社オリジナルの商品力だ。その裏付けとなっているのが、社長の趙晃啓さんが学び、実践してきた独自の経営ノウハウ。そこで、縮小する日本の住宅業界で生き残るために必要なポイントについて語ってもらった。
趙さんは大学時代に起業し、経営について学びながら実践を続けてきた。父が営んでいたGハウスに入社したのは27歳のときだ。
他の業界を経験してきた趙さんの目から見て、住宅業界の矛盾は衝撃的だった。「入社して初めてアフターメンテナンスに行ったときのこと。家は新築でピカピカなのに、家具は古いまま。理由を聞くと、奥様が妊娠して家族が増えるため、今後の出費を考えて家具は我慢するとのことでした」(趙さん)。家族のために建てたはずなのに、我慢を強いられる現実を目の当たりにしてショックを受けたという。
「お客様がほしいのは、家そのものではなくその先の暮らしや人生。お客様が本当に豊かな暮らしを送るためには、家の価格をもっと下げるべきだ。残ったお金は、暮らしや人生を豊かにするために使ってほしい」。こう考えた趙さんは、家の仕様や性能を徹底的に見直し、メーカー各社にも交渉。オリジナルの仕様による高性能な住宅をリーズナブルな価格で実現することを目指した。
そして生み出したのが、BELS★★★★★5ツ星、平均C値は0.2㎠/㎡を標準とした、2×4構造の住まいだ。構造計算、耐震・制震ダンパーで高耐震仕様に。高性能フィルターと全館換気システムも取り入れた。トリプルガラスの高性能樹脂サッシ、太陽光発電+HEMS搭載なども仕様に盛り込んだうえ、家事動線や内外装などの意匠面にも注力。
これだけの内容を本体価格2000万円前後におさめるのは、並大抵のことではない。それでも趙さんは細かく仕様を検討し、規格住宅「LIFE X」として開発中だ。
商品力が高ければ売れる。
経営理論の裏付けも強みに
高い商品力を強みにしてGハウスは成長を続けている。「商品がよければ売れる」が趙さんの持論。営業マンの力に頼るのではなく、まずはお客様が欲しいと思う商品を提供することから着手したという。
中小規模の工務店の場合、どうしても資本・人材のリソースが限られる。「年商10億円前後までは商品力が左右すると考え、最初に性能に注力しました。現在は、性能、デザイン、施工品質、保証、コストすべてにおいて最高クラスをめざす企業努力を続けています」(趙さん)。
実際に、自社の仕様をブラッシュアップさせていくごとに売上高は伸び、趙さんが社長に就任した2020年度の3億円から毎年のように倍増近い勢いで成長。2025年度は71億円に到達する見込みだ。「当社では入社半年の社員でも年間12棟以上のペースで契約できています。よく不思議がられるのですが、こちらから売り込む必要がない。お客様が建てたい家を提供しているだけです」(趙さん)。
これらの裏付けとなっているのが、趙さんが先人から学んできた経営理論だ。「正しい知識で経営することを大事にしていて、経営戦略やマネジメントについて、毎日のように勉強を続けてきました。」と趙さん。さらに、社員も一緒に、損益計算書、貸借対照表の読み方から実務まで学び、BS経営を目指しているという。「社長ひとりで頑張っても限界がある。社員も含めて全員で経営力を高めていかないと、成長を持続していけない」。このやり方は他社との大きな違いだ。


根拠のある性能と未来を見据えた暮らしの提案で「人生を変える家」を提供している
正しい経営を学ぶ場を提供。
地場の工務店の底上げに
現在、住宅市場は新築着工数が年々減少し、市場そのものも縮小していくと言われている。「他の業界でもそうですが、大手が莫大なリソースを投入して、寡占化が進む。当社も頑張っていますが、いずれ大手の波に飲み込まれてしまうのではという危機感を持っています」(趙さん)。
そこでGハウスが取り組もうとしているのが、FC、VC、そして情報提供サービスの事業だ。「地場の工務店が1社でピンチを乗り切るのではなく、中小企業がお互いの得意技を持ち寄って、生き抜いていく。たとえば、当社は集客が得意で売れる商品を持っている。その得意とする武器を、地場の他の工務店様の高い施工技術、腕のある職人さんたちとお互いに共有しあって、ともに売り上げ、地域シェアを確保していけたらいいと考えています」。
その第一歩として全国の工務店の方向けに、共に真の経営を共に築くという想いの元に、経営革真研究会を発足。2026年1月より本格稼働の向け準備しているところだという。「研究会と言っても一方的なものではなくて、一緒に経営の勉強をする、という形を考えています。私も経験しましたが、工務店経営は独学だと偏ったものになりがち。結局、経験や勘に頼ってしまうようでは軸が定まりません。根本的な経営というものを理解していないと、何をやっても場当たり的ですべてが無駄になってしまう。普遍的な正しい経営の原理原則を学ぶ場を提供したい」(趙さん)。
さらに、規格住宅「LIFE X」を提供するVC、FCも想定中だ。地場の工務店の最大の弱点は集客。Gハウスのノウハウで、集客までサポートする仕組みを考えているという。
こうした取り組みは地場の工務店全体の底上げにもつながりそうだ。
「ポテンシャルのある工務店は、きっかけがあればがらっと変われる。Gハウスとの出会いがそのきっかけになれたらうれしい」。1社では力の足りない存在でも、同じ志を持って集まれば大きな力になる。そんなイメージが趙さんの頭の中にはすでに描かれているようだ。
株式会社Gハウス 代表取締役社長
趙 晃啓氏
1988年生まれ。大学在学中に起業後、父の経営する株式会社Gハウスに入社。2019年度売上高2億円の同社を6年で2024年度売上高45億円にする。2025年度で年商70億円、2026年度100億円の予測。「あらゆる人に、自由と、人生の豊かさを」の理念を具現化すべく年商1兆円を目指している。
(sponsored by Gハウス)
未来を切り拓く姿勢が持続を生む 工務店の【新築再興】
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。




























