2025年5~9月の全国における熱中症による救急搬送人員は、過去最多の10万510人に達したことが消防庁の発表で明らかになった。2008年の調査開始以来最多の人数となり、年齢区分別では高齢者(65歳以上)が全体の約57%を占めた。

熱中症による緊急搬送人員数の推移
気象庁の統計によれば、今年は多くの地域で梅雨明けが例年より早く、日本の平均気温も統計開始以降で最高を記録。熱中症警戒アラートの発表回数も過去最多となり、厳しい暑さが長期間にわたって続いた。今年6月は月別で過去最多、9月も過去2番目の搬送人員を記録した。
高齢者に次いで搬送人員が多かったのは成人(18歳以上65歳未満)の約34%で、少年(7歳以上18歳未満)が約8%、乳幼児(28日以上7歳未満)が0.5%となった。傷病程度別では、軽症(外来診療)が約63%で最多、中等症(入院診療)が約34%、重症(長期入院)が約2%、死亡は117人で全体の0.1%だった。
発生場所別では、住居が全体の約38%で最多となり、屋外だけでなく屋内での熱中症対策や、高齢者への見守りという点において喫緊の課題であることを示唆する結果となった。その他の場所では道路が約20%、駅の屋外ホームなど不特定多数が出入りする屋外の場所が約12%、道路工事現場や工場、作業所などの仕事場が約11%と続いた。
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