政府は9月30日、「CLT活用促進に関する関係省庁連絡会議(第16回)」を開催、CLTの普及状況と今後の施策について議論を行った。この中で2026年度以降を対象とした「第4次CLTロードマップ」の策定案を提示。現行の施策を基盤としつつ、「重点化すべき事項の明確化」、「新規施策の追加」、「不要な取り組みの統廃合」などを検討する方針を示した。
CLTを活用した建築物の累計竣工件数は、2025年度末までに1700件を超える見込みとなっている。2025年大阪・関西万博では、来場者が歩くことのできるスカイウォークの床材としてCLTを採用。象徴的な「大屋根リング」の構造材として活用されるなど、同材の実用性と象徴性を示す事例が注目を集めた。一方で同材は認知度の低さ、コスト面での優位性が十分に確保されていない点が指摘されており、まとまった需要の創出が急務とされている。
これまで政府はCLT建築物の事業性や設計実務に関する情報提供、専門家派遣、相談窓口の設置などを通じ、普及促進に向けた予算措置を講じてきた。例えば国土交通省は、構造計算の簡素化や仕様規定ルートの創設により、小規模建築物への同材導入を容易にする取り組みを実施。また、同材を用いたパネル工法の劣化対策等級の評価規定を整備してきた。加えて「建築物のライフサイクルカーボンの削減に向けた取り組みの推進に係る基本構想」では、CLT等の木材の炭素貯蔵量の表示のあり方も検討する考えを示している。
こうした動きを踏まえ、政府は令和8年度以降を対象とした「第4次CLTロードマップ」の策定案を提示。新たなロードマップでは、現行の施策を基盤としつつ、重点化すべき事項の明確化、新規施策の追加、不要な取組の統廃合などを検討する方針が示された。
策定にあたっては、関係省庁の課長級による幹事会で議論を重ね、有識者の意見も反映。その上で、局長級メンバーによる本会議にて本年度中の決定を目指す考えとしている。
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