国内の建築を学ぶ学生を対象に、第2回「ARC style 木造住宅コンペティション」を開催したアークスタイル(静岡県富士市)は、このほど全国57点の応募の中から厳正な審査を経て選出した入賞作品を発表した。
同コンペでは、「日本に住みたい外国人を対象とした住宅」をテーマに、全国の学生から設計プランを公募。近年、長期滞在のための別荘や移住を目的とする住宅を取得する外国人が増えている状況を踏まえて、人気が高まる北軽井沢エリア(群馬県)の別荘地内にある500㎡の1区画という敷地条件のもと、長期滞在または移住を希望する外国人向けの住宅の提案を求めた。
審査は、7月1日から8月11日にかけて行い、住宅設計の専門家らが応募作を評価。最終的に、最優秀賞1点、優秀賞1点、審査員特別賞1点、佳作5点、奨励賞15点を選出した。
最優秀賞は、東京理科大学大学院・工学研究科建築学専攻2年の田邉悠馬さんの「3つのニワをもつ家」が受賞。審査員からは、「豊かな自然環境との共存、プライベートとコミュニティの関係性をポイントとして審査した結果、本作が最もバランスよく巧みにその要素を表現していた」との評価を受けた。
受賞を受け田邉さんは「外国人との共生のあり方が議論されるなかで、住宅の設えを通して、新しい共生の形を提案したいと考えて設計した。その考えに共感してもらい評価されたことはとてもうれしい。これからも社会に対して新たな視点を持った提案を続けていきたい」とコメントを寄せた。
日本に住みたい外国人というローカル性と異文化適応性のバランスをどのようにとるかが問われる難しいテーマを内包する設定だったにも関わらず、応募作品は第1回の49点から10点近く増えた。主催者サイドでは「全国の建築学生たちの意欲を示している」と歓迎する。
このコンペは、地域工務店による家づくりの魅力やその高い設計力などについて学生たちに伝えることも大きな目的としている。アークスタイルの星野貴久さんは「ぜひ、地域工務店を就職の選択肢に加えてほしい」と期待する。

最優秀賞パース/最優秀賞に輝いた「3つのニワをもつ家」のイメージパース
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