国土交通省は9月8日、省CO2に関する先導的な技術の導入を支援する「省CO2先導プロジェクト2025」(※)で、11件のプロジェクトを採択した。今回は一般部門に9件、中小規模建築物部門に2件の応募があり、すべての提案が選ばれた。戸建て住宅では、あおもりGX住宅ビルダーズと北海道ビルダーズ協会の提案が採択されている。
※正式名:「令和7年度サステナブル建築物等先導事業」(省CO2先導型)
高温多湿への対応にも期待
あおもりGX住宅ビルダーズの「あおもり発の積雪寒冷地型住宅最適化プロジェクト」では、青森県と地元工務店グループの連携により、積雪寒冷地向けに最適化した住宅性能を策定。県独自の省エネ住宅基準の普及を目指す。ビルダー(工務店グループ)として、建築設計事務所、建設会社・工務店などが参加。サポーターとして、関連企業や建築・環境関連の研究機関などが参加する。
講評では、省CO2住宅の取り組みが限定的だった青森県で、波及・普及効果が期待できる点が評価された。寒さ対策としての断熱性能強化だけでなく、夏期の高温多湿への対応について有用な知見が得られる点でも期待されている。

あおもりGX住宅ビルダーズのプレゼン資料
北海道ビルダーズ協会の「北方型住宅ZERO【長期優良住宅】~道内普及・啓発推進事業」では、道独自に設定した住宅性能基準の住宅を建設。住宅履歴情報を活用することで長期的な維持管理に対応した質の高い住宅供給を目指す。脱炭素化対策をポイント化することで、効果の見える化を図る。
講評では、すでに住宅性能が高い土壌がある中で、さらに質の高い住宅を供給する点や、居住 データを産官学が連携して活用することなどを評価。地域工務店による自主的な取り組みにより、北海道地域のボトムアップと省CO2技術の波及・普及が期待できるとしている。夏期の高温多湿への対応にも注目している。

北海道ビルダーズ協会のプレゼン資料
その他の主な採択事業は次の通り。
▽品川区新総合庁舎(東京都品川区)▽新千葉県立図書館・県文書館複合施設(千葉県千葉市)▽立命館衣笠キャンパスデザイン・アート学部・研究科(仮称)施設整備事業(立命館、京都府京都市)▽脱炭素志向型高層集合住宅プロジェクト(東急不動産、東京都千代田区)
■関連記事
青森県でも独自基準「あおもりGX住宅」 官民連携で普及へ
「省CO2先導事業」の募集開始 災害リスクの高い立地は対象外に
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。





























