「大工がつくる高性能住宅」を掲げる五十嵐建築(福島県会津若松市)は7月、喜多方市内の住宅展示場内に、快適性を大幅に進化させた新しいモデルハウスを完成させた。加藤建築(新潟県長岡市)が開発・特許を取得した全館空調システム、通称「魔法のエアコン」を初導入。五十嵐建築二代目・常務の五十嵐匠さんは、モデルの仕様を今後の標準としつつ「高性能が当たり前になっている市場や、未曽有の危険な暑さなど気候変動も踏まえて、地域の人たちに“次世代の快適性”を提案していきたい」と意欲を見せる。【編集部 関卓実】

五十嵐建築の五十嵐匠常務(右)と加藤建築の加藤正勝代表。五十嵐さんは、加藤さんが手がけた“魔法のエアコン”導入の住宅の圧倒的な快適性に衝撃を受け、「自社でも導入させてほしい」と加藤さんに熱望。加藤さんが快く応じてコラボが実現した
加藤正勝さんとは、独自の断熱パネルに高性能な窓や換気設備を組み合わせる「ジョイ・コス住宅システム」を標準工法とする仲間として以前から交流があった。五十嵐さんは、加藤建築が新潟県内で手がけた魔法のエアコンを用いた住宅を体感し、その圧倒的な快適性に衝撃を受け、「自社でも実現したい」と即決した。
初導入した物件は、地元工務店5社が協働して8月23日にグランドオープンした住宅総合展示場「ふくまちタウン会津喜多方」の一画に新築。1年間の期間限定で、販売型モデルハウスとして運用する。空調(冷暖房・換気)の計画や設計、現場施工に至るまで加藤さんに依頼し、全面的なバックアップを受けた。
面積約170㎡の敷地(区画)に完成した新しいモデルハウスは、木造2階建て・延べ床面積116㎡。断熱等級6・UA値0.32W/㎡K(4地域)の断熱性能とC値0.04㎠/㎡の気密性能を備える。壁は、柱間に120㎜厚(硬質ウレタンフォーム+合板)のジョイコス断熱パネルを設置。床には、105㎜厚(同+炭化コルク)の同パネルを敷き詰めた。
天井はセルロースファイバーを350~360㎜厚で吹き込み、その下(室内側)にキューワンボード50㎜厚を張った。窓には樹脂・トリプルガラスサッシ(エクセルシャノン)、玄関ドアには高断熱木製ドア(ガデリウス)を用いた。

標準工法とするジョイ・コス住宅システムによって新築した五十嵐建築のモデルハウス。加藤建築が特許取得済みの全館空調システムを初めて導入した
14畳用1台で全館冷暖房 ダクト通して各所に供給
このモデルでは、初めて採用した加藤建築が特許取得済みの独自の全館空調システム(魔法のエアコン)に基づき・・・
この記事は新建ハウジング9月10日号2面(2025年9月10日発行)に掲載しています。
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