厚生労働省はこのほど、長時間労働が疑われる事業場に対して行った労働基準監督署の指導結果について取りまとめた。これによると、指導を行った事業場は2万6512事業場で、前年から395件増加。このうち2万1495事業場で労働基準関係法令違反が確認された。
内訳は「違法な時間外労働」が1万1230事業場、「賃金不払残業」が2118事業場、「健康障害防止措置の未実施」が5691事業場となった。指導が多かった業種は「商業」の5886事業場だった。
建設業で指導を受けたのは1923事業場で、このうち1567事業場で労働基準関係法令違反を確認した。内訳は「違法な時間外労働」が749事業場、「健康障害防止未措置」が391事業場、「賃金不払残業」が186事業場となっている。

監督指導実施事業場数
「タイムカードで時間管理」が最多
監督指導を実施した事業場で、労働時間の管理方法を確認したところ、「タイムカードを基礎」が最も多く9784事業場。「ICカード、IDカードを基礎」が5882事業場でそれに続いた。「自己申告制」も6396事業場で見られ、労働者自身も始業・終業時刻を記録していた。
なお、同省の「労働時間適正把握ガイドライン」(PDF)では、「自己申告制」を導入する際の留意点として、▽自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか調査すること▽使用者の指揮命令下に置かれていた時間も労働時間として扱うこと▽時間外労働時間削減のための通達や措置が正しい申告を阻害していないか確認すること―などを挙げている。
「働き方改革」助成金も紹介
同省では、同報告とともに働き方改革を推進するための助成金についても紹介。今年度は、建設業を対象とした「令和7年度働き方改革推進支援助成金」で「業種別課題対応コース(建設業)」、「労働時間短縮・年休促進支援コース」、「勤務間インターバル導入コース」などを実施している。
「業種別課題対応コース」では、「時間外・休日労働時間数の縮減」など、5種類の目標から一つを選び、その達成に必要な経費を助成。労務管理用ソフトウェアの導入・更新、人材確保に向けた取組などを行う企業に対して、目標に応じた支援を行う。

働き方改革推進支援助成金(建設業)のリーフレット
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