国土交通省は7月31日、2023年の水害被害額(確報値)を公表した。これによると被害総額は約7100億円となり、過去10年間で3番目の規模となった。都道府県別では秋田県で過去最大の被害額となっている。上位3県の被害額は、「秋田県」1590億円、「福岡県」670億円、「和歌山県」560億円だった。
被害建物棟数は合計3万1424棟。内訳は「全壊・流失」が146棟、「半壊」が4159棟、「床上浸水」が9174棟、「床下浸水」が1万7945棟。水害区域面積約1万9800haのうち、宅地が5363haを占めた。

都道府県別の水害被害額
最も被害が大きかった梅雨前線による豪雨(23年7月14日~16日)では、秋田県の複数地点で24時間降水量が観測史上最大を記録。一部で7月の月降水量を大きく上回る、記録的な大雨となった地点もあった。東北地方に停滞していた梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発化したことが要因とみられる。被害建物棟数は9524棟、水害被害総額は約1760億円に上った。
次いで被害が大きかった「台風2号」と豪雨(同5月30日~6月5日)では、西日本から東日本の太平洋側を中心に大雨となり、1時間に80mm以上の猛烈な雨を記録。観測史上最大の1時間降水量を更新した地点もあった。被害建物棟数は9616棟、水害被害総額は約1650億円に達している。

秋田市内で起きた浸水被害の様子
豪雨と渇水、進む二極化
翌年の2024年も国内では記録的な豪雨が相次いだ。線状降水帯がもたらした「7月東北豪雨」や「9月能登半島豪雨」に加え、「台風第10号」により西日本から東日本にかけて土砂災害や河川の増水、氾濫、浸水による被害が生じた。
その一方で、全国的に無降水日(日降水量1.0mm未満の日)が増加傾向にある。24年・25年とも渇水により取水制限が行われている河川もあり、降雨状況の二極化が進んでいる。
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