20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会(HEAT20、坂本雄三理事長)は7月2日、新たな提案として、戸建て住宅の「夏期・中間期の外皮性能水準」を公表した。開口部の日射遮蔽など“建築力”による冷房顕熱負荷の削減率を指標に「G-A」「G-B」の2段階の水準を策定。熱性能の追求や防犯を理由に開口部の狭小化が進む中、酷暑による冷房エネルギー増加を防ぎつつ窓本来の役割の重要性を訴える。【編集長 荒井隆大】

HEAT20 理事・設計部会長 鈴木大隆さん
前提はG1~G3の水準に該当し、少数の空調機器(エアコンなど)で住宅全体を暖冷房する準セントラル空調の住宅。省エネ基準適合住宅の部分間欠冷房とほぼ同等の負荷で全館連続冷房が可能になる、省エネ基準比で冷房顕熱負荷を40%削減できる水準をG-Bとした。
ただ、ηAC値(6地域・省エネ基準で2.8)が1.0を大きく切るレベルでなければ40%削減は難しい。そのため、現実的な基準として削減率30%のG-Aを設定した。なお、寒冷地(1~3地域)ではG-Aでも、全館連続冷房を省エネ基準の部分間欠冷房と同等の冷房負荷で実現できるという。また、中間期(外気温27℃未満)に発生する冷房負荷に対しても、省エネ基準以上に冷房顕熱負荷が増大しないという指標を設けた。
G1~G3では、NEB(ノン・エナジー・ベネフィット)としての室温が指標に用いられているが、夏期は室温の低下幅に限度があることから、G-A、G-BではあえてEB(エナジー・ベネフィット)のみを指標とした。実際には「G2-B」や「G-3A」のように、G1~G3のグレードとセットで表示する。
気候変動で夏と中間期の対策がますます重要に
気候変動の影響により、夏の気候は大きく様変わりした。北海道でさえ35℃を超える日が頻発。高断熱住宅ではオーバーヒートや、空調依存度の上昇という課題が顕在化しつつある。
さらに・・・
この記事は新建ハウジング8月10日号1面(2025年8月10日発行)に掲載しています。
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