埼玉県内の工務店や設計事務所などで構成されるさいたま家づくりネットワークは、このほど20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会(HEAT20)の住宅システム認証を取得した。HEAT20のG2・G3に該当する仕様を定め、会員工務店のスキル向上を図りながら、取得した認証をエビデンスとして“良質な住宅を提供する工務店の組織”というブランドを確立したい考えだ。【編集長 荒井隆大】
HEAT20の住宅システム認証は、外皮や設備の仕様など(住宅システム)が同研究会の提唱する住宅シナリオを満たす水準であることを、モデルプランをもとに認証する制度。認証を取得すると、申請内容に適合する住宅をHEAT20 の認証住宅と称することができる。地域の工務店団体としての認証取得は初と見られる。
認証を取得した住宅システムは「さいたま家づくりネットワーク『さいたま健康省エネ住宅』G2」と「さいたま家づくりネットワーク『さいたま健康省エネ住宅』G3」の2つ。設計事務所会員の山本浩二さん(taruShiru)、水村拓司さん(水村建築設計)の2人を軸にプロジェクトが進められた。
地域区分は会員の所在地を踏まえ6地域に限定。ただし埼玉県は広く、気候にも差がある。どのエリアでも室温や暖房負荷削減率の要件をクリアできるよう、最も寒い所沢の気象データで仕様を検討。大きな暖房負荷を削減するためにG2でもUA値0.35W/㎡Kとし、室温はG3の水準をほぼ達成する温度になった。
外皮はネオマフォーム90㎜厚による外張り断熱と基礎断熱が基本で、G3は充填断熱が加わる[表]。会員である佐藤工務店(埼玉県上尾市)の仕様がベースで、未経験者への技術的支援を充実させるため、先行して実践している工務店の仕様を利用。開口部も、樹脂サッシへのシフトを促すための性能値を設定した。
“会員ならいい家”の エビデンスが認証
高断熱住宅未経験工務店の底上げは業界全体の課題。同ネットワークでも会員間で習熟状況には差があるという。それを踏まえ・・・
この記事は新建ハウジング1月30日号2面(2025年1月30日発行)に掲載しています。
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