国土交通省は7月15日、中央建設工事紛争審査会が取りまとめた2024年度の「建設工事紛争取扱状況」(PDF)を公表した。全国の紛争処理申請件数は109件で、前年度比30件減少。内訳は、「あっせん」が17件、「調停」が73件、「仲裁」が19件だった。
当事者類型別では、「個人発注者から請負人への請求」が36件で最多に。「請負人から法人発注者」(22件)、「下請負人から元請負人」(20件)がそれに続いた。紛争類型別では、「工事代金の争い」が最も多く41件となった。工事種別では「建築工事」が85件となり、全体の78%を占めている。

紛争類型別の申請状況
中央への申請数は32件
このうち国土交通省に設置された中央審査会への申請件数は32件で、前年度から10件減少。工事種類別では、「建築工事」19件、「設備工事」7件、「電気工事」と「土木工事」がそれぞれ3件となった。建築工事が減った一方で、設備工事と電気工事は増えている。請求額は「1000万円超~5000万円」の11件が最多で、「1億円超」の高額申請も4件あった。

申請請求額の推移
建設工事紛争審査会は、建設工事の請負契約に関する紛争の簡易・迅速・妥当な解決を図るため、当事者の申請に基づき、あっせん、調停、仲裁を行う公的機関。工事の瑕疵(かし)や請負代金の未払い、元請・孫請け間の紛争、近隣住民との騒音問題などにも対応している。
中央審査会における過去5年間の事件終了までの平均期間は、「あっせん」が8カ月、「調停」が10.8カ月、「仲裁」が25.9カ月だった。最も多かったのは、「あっせん」では4カ月未満、「調停」は7~9カ月、「仲裁」は1年~1年半だった。

事件終了までの期間
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