建設物価調査会は7月10日、2025年6月分の建設物価建築費指数(※)を公表した。木造住宅の工事原価指数(暫定値)は142.7で、前月比0.8%の上昇、前年同月比で3.6%の上昇となった。前月から1.1ポイント、前年比同月比では4.9ポイント増加するなど、価格の上昇傾向が続いている。
※2015年を基準とした場合の数値

木造住宅の建築費指数の推移
東京都では、専門業者の職人不足を背景に人件費の上昇が工事費を押し上げた。さらに空調機器に製造コスト増が価格に転嫁されたことも、指数を押し上げる要因となっている。一方で、異形棒鋼やH形鋼など鉄鋼製品の価格下落により、上昇幅がわずかに抑えられている。
空調機器など値上がり
木造住宅の建築費指数を純工事費でみると144.3(暫定値)となり、前月比で0.8%、前年同月比3.6%増加。前月比でプラス要因となった細目は、「上記以外の建築細目」(+0.65)、「空調機器」(+0.08)、「モルタル塗」(+0.07)、「電線・ケーブル」(+0.03)、「衛生機器」(+0.01)などだった。一方で、「鉄筋」(-0.01)がマイナスに働いた。
前年同月比でプラス要因となった細目は、「上記以外の建築細目」(+1.38)、「アルミサッシ」(+0.50)、「衛生機器」(+0.48)、「衛生配管」(+0.39)、「生コンクリート」(+0.31)など。マイナスに影響した細目は、「木工」(-0.08)、「鉄筋」(-0.07)だった。
集合住宅の建築費も上昇
集合住宅(RC造)の建築費指数を工事原価でみると138.8となり、前月比で1.1%、前年同期比で5.3%の上昇。純工事費では140.1となり、前月比で1.2%、前年同月比で5.6%増加した。プラス要因となった細目は、「上記以外の建築細目」(+1.01)、「モルタル塗」(+0.11)、「電線・ケーブル」(+0.07)、「空調機器」(+0.03)、「衛生機器」(+0.01)など。マイナスに影響した細目は、「鉄筋」(-0.06)、「鋼材」(-0.01)。
対前年同月比でプラス要因となった細目は、「上記以外の建築細目」(+2.57)、「生コンクリート」(+0.96)、「衛生配管」(+0.57)、「上記以外の設備細目」(+0.44)、「型枠」(+0.31)など。一方で、「鉄筋」(-0.59)、「鋼材」(-0.02)、「木工」(-0.01)はマイナス要因となった。

集合住宅 主要都市の工事原価指数
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