建設物価調査会が5月2日公表した、2025年4月分の建設物価建築費指数(※)の動向は、建設総合平均が140.7で前月比0.1%(0.1ポイント)の増加となり、5カ月連続で上伸した。
(※速報値、2015年の平均を100として算出)
このうち建築部門は139.9となり、前月比0.1ポイント増、前年同月比では2.3%(3.2ポイント)増となった。建築補修は137.3で前月比0.1ポイント増、前年同月比では3.7%(4.9ポイント)増。建築部門、建築補修ともに5カ月連続の上伸となっている。

建設物価建築費指数の推移
品目別(東京)では、前月との比較で「鉄スクラップ」(3万3000円/t)の価格が上昇。「H形鋼」(11万3000円/t)、「ストレートアスファルト」(10万6000円/t)の価格が下落した。今後の見通しでは、「鉄スクラップ」「セメント」「レディーミクストコンクリート」などで上昇、「H形鋼」「中厚板」「ストレートアスファルト」で下落が見込まれる。(※カッコ内は東京での価格)
「生コンクリート」は、製造・輸送コストの増加をメーカーが価格に反映したことで値上がり傾向に。「燃料油」は、元売りの実質仕切価格の引き上げにより、販売店で値上げが浸透した。一方、「H形鋼」は需要減少による受注競争激化で市況が続落。「ステンレス製品」は、原材料相場の下落や販売店間の受注競争によりステンレス鋼の価格が低下し、指数が押し下げられた。

主な品目の価格推移(一部抜粋)
仙台・名古屋で生コン価格上昇
都市別では、国際的な相場価格の上伸による「銅製品」や「アルミ製品」の値上がりが、各都市の指数動向のプラス要因に。仙台(前月比0.6%増)、名古屋(同0.1%増)では、「生コンクリート」の価格が上昇した。名古屋では「砂」や「コンクリート製品」の価格も上昇している。札幌では「燃料油」や「鋼製品」が上昇したが、「異形棒鋼」の価格が下落したことで、総合的な指数動向はマイナスとなった。

都市別の指数
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