建設物価調査会が10月10日に公表した2025年9月分の「建設物価建築費指数」によると、木造住宅の工事原価指数(暫定値)は143.9となり、前月比で0.5%、前年同月比で3.1%増加した。
東京都内では、人件費の高騰で塗装工事費や左官工事費が上昇したほか、カーペットや床タイルなどの値上がりで仕上工事費が上昇し、指数を押し上げる要因となった。一方、建築需要の低迷でH形鋼や等辺山形鋼などの鋼材が続落。これに伴い鉄骨加工費などの工事費が下落し、指数を押し下げた。

木造住宅の建築費指数の推移
木造住宅の建築費指数を純工事費でみると145.5(暫定値)となり、前月比で0.6%、前年同月比で3.1%増加した。前月比でプラスとなった細目は、「上記以外の建築細目」(+0.47)、「電線・ケーブル」(+0.04)、「衛生配管」(+0.02)、「上記以外の設備細目」(+0.01)で、寄与度がマイナスの細目はなかった。
前年同月比でプラスとなった細目は、「上記以外の建築細目」(+1.92)、「衛生機器」(+0.45)、「生コンクリート」(+0.31)、「空調機器」(+0.20)、「電線・ケーブル」(+0.13)など。一方で、「木工」(-0.10)、「鉄筋」(-0.07)、「型枠」(-0.01)がマイナスとなっている。
集合は生コンがプラス要因に
集合住宅(RC造)の建築費指数は、工事原価でみると140.6(暫定値)となり、前月比で1.0%、前年同月比で4.9%増加。純工事費でみると142.0(暫定値)となり前月比1.1%、前年同月比で5.0%の増加となった。
前月比でプラスとなった細目は、「上記以外の建築細目」(+0.84)、「上記以外の設備細目」(+0.10)、「電線・ケーブル」(+0.04)、「衛生配管」(+0.03)、「空調ダクト」(+0.02)など。一方で、「鋼材」「鉄骨加工」(ともに-0.00)がマイナスとなった。
年同月比でプラス要因となった細目は、「上記以外の建築細目」(+3.47)、「生コンクリート」(+0.94)、「衛生機器」(+0.28)、「上記以外の設備細目」(+0.24)、「電線・ケーブル」(+0.23)など。マイナスとなった細目は、「鉄筋」(-0.64)、「鋼材」(-0.03)、「型枠」(-0.03)、「木工」(-0.01)などだった。

集合住宅 主要都市の工事原価指数
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