開発したモノに付加価値と値段と名前を付けて売るのが「商品」だ。買い手は商品と商品が実現するベネフィット、会社の顧客対応、ブランド価値などを吟味して商品の購入を決める。
住宅も本来は商品だが、顧客の「注文」を請け負う注文住宅というビジネスモデルが「商品」の概念を希薄にし、差別化・独自化・ブランド化を難しくしている。建築=作品という業界特有の価値観も同様だ。
一方で建築は人の暮らしと社会に与える影響が大きく、個人資産でもあり社会資本でもある。住宅は商品でもあるが建築であり、ただ売れればいいというわけでない。この点に留意して商品企画を行うべきだ。
商品企画の基本
商品開発=売れ続けるものを企画すること。住宅は商品であり建築でもあるので、商品の企画力だけでなく建築をより善くする設計力も求められる。必要なのは企画設計力だ。
企画の基本は「マーケティング」=誰に/何を/いくらで/どうやって/何のために/誰と―を考えることだ。
以前は「誰に」=ターゲットが重要で、市場調査やペルソナ(理想の顧客)設定が重視されたが、中小企業・工務店が発信力・ブランド力を身につけた現在は自社が発信するコンテンツに共感した人たちがターゲットでありペルソナだ。「誰に」よりも「何を」=住宅商品、「どうやって」=つくり方・売り方・プロセス、「なんのために」=ストーリー・理念、「誰と」=スタッフや職方、パートナー―の企画・実践・発信のほうが重要になっている。
ただし、デフレからインフレの移行期である現在は・・・
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