松尾和也さん流エコハウス設計メソッドを毎月10日号でお届けする本連載。前回に続き、多湿化する気候とそれに対応する方法を考えます。
前回の記事で日本全体が高湿度化していることを説明しました。この原稿が皆様の手元に届く頃には梅雨入りしているだろう、と想像しながら書いています。
2024年8月の東京の平均絶対湿度は18.4g/kgでした。空気は1㎥でおおよそ1.2kgなので1㎥あたりに換算し直すと、21.6g/㎥もの水分が空気中に含まれていることがわかります。
具体的に数字で確かめていきます。昨今の住宅は小さくなっているので、延床面積を100㎡とします。平均天井高が2.4mだと容積は240㎥、基準法どおり1時間に0.5回換気すると、第三種換気の場合1時間に120㎥の室内空気を外に捨て、同量の外気を室内に取り入れることになります。これを噛み砕いて説明します。
冷房している室内の空気の絶対湿度は13g/kg=15.6g/㎥くらいです。計算上のスタート時点では冷房がきちんと効いているとします。すると室内の水蒸気量は15.6g/㎥×240㎥=3744g(約3.7L)と計算できます。
まず、最初にここから半分の水分(1872g)が外に捨てられることになります。同時にその分、より湿った外気が同じ量(120㎥)入ってきます。その量は21.6g/㎥×120㎥=2592gにもなります(エアコンによる除湿がないと仮定)。
この差し引きを数式化すると次のようになります・・・
この記事は新建ハウジング6月10日号7面(2025年6月10日発行)に掲載しています。
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