埼玉県近郊の工務店や設計事務所、住宅関連事業者が連携して断熱改修の普及に取り組むさいたま断熱改修会議では現在、既存壁を解体せず壁内に断熱材を吹き込む改修工法の開発に取り組んでいる。9月9日にはさいたま市内の既存住宅で施工実験を実施したが、大きな問題なく断熱材を施工することができ、断熱・気密性とも大幅に向上。今後も実用化に向け検証を進めていく。【編集長 荒井隆大】

内壁に穴をあけて注入機で断熱材を吹き込む。1穴わずか2分で、1部屋全体でもあっという間に終わる
同会議が実用化に向け開発を進めているのは、内壁にΦ100㎜の穴をあけ、ブローイングマシンで断熱材(セルロースファイバー)を吹き込むという工法だ。吹き込みは同会議メンバーのハイシマ工業(さいたま市)が所有するドイツ・X-FLOC社製注入機を使用。断熱材を吹き込みながら壁内の空気を排出できるため、別途空気を抜くための穴あけが不要になった。
実用化に向け、今年5月にモックアップを使った実験を実施した。無断熱状態、断熱材はないが筋かいが入っている状態、50㎜厚のグラスウールが施工された状態の3パターンで、グラスウールとセルロースファイバーの2種類を吹き込んだ。結果、グラスウールに比べ吹き残しが少なかったセルロースファイバーを採用することに決定。さらに、壁中央部からの吹き込みだけでは上部に空隙ができてしまったため、壁の上部からも吹き込むことにした。

左:断熱材を吹き込んだ後の様子。この上に可変透湿シートとせっこうボードを張りクロスで仕上げる
右:今回の工法を実現するカギになったX-FLOC社の断熱材注入機。断熱材を吹き込みながら空気を排出できる
無断熱からZEH水準並みのレベルまで性能アップ
9月の実験は、築50年を超える既存住宅で実施。改修部位は2.5間×2.5間(約20.25㎡)の応接間1室で・・・
この記事は新建ハウジング11月10日号1面(2025年11月10日発行)に掲載しています。
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