インフレの長期化に伴い、完工後に赤字が発覚する工務店も増えている。資材・外注費の上昇で原価が増える一方、着工前の準備工程に必要な工数を確保できず、粗利が見えないまま削られていく構造が背景にある。この状況をどう克服すべきか。
監督業務の効率化と分業体制の構築を自社で進め、多くの工務店支援に携わってきたecomo/log build代表・中堀健一さんは、原価管理プロセスと監督業務の再設計が不可欠だと指摘する。中堀さんに、課題と解決の方向性を聞いた。
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−なぜ今、工務店にとって予算管理の再構築が急務なのか。
資材費と外注費の上昇で建築コストは高止まりし、資材価格の変動が粗利を直撃しやすい状況が続いている。主要資材はここ3〜4年で2〜3割上昇し、価格改定の頻度も高まっている。
しかし多くの工務店では原価管理が一元化されておらず、積算・購買の専任がいないまま、監督が実行予算づくりや外注単価の調整まで兼務している。価格情報が社内で整理されず、見積もりや実行予算に反映されないまま現場が走り出すケースも多い。本来は契約前後に原価と粗利を明確にし、着工前に利益構造を固める必要があるが、この前工程に工数を割けていない。
その結果、実行予算が不十分なまま着工し、完工後に数十万円単位の粗利の下振れに気づくことも少なくない。資材高騰によって、こうした前工程の弱さが露呈しやすくなっており、予算管理の再構築が急務になっている。
−原価管理が追いつかず粗利が下振れするのは、どのような社内構造が原因か。
監督は6〜10棟を掛け持ちし、工程管理や施主・近隣対応、図面確認など多くの業務を担っている。本来は・・・
この記事は新建ハウジング11月30日号4面(2025年11月30日発行)に掲載しています。
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