YKK AP(東京都千代田区)は11月27日、富山県滑川市の滑川製造所に高断熱窓用「Low-Eガラス」を生産する「N3B棟」を新設し、操業を開始した。これにより全国のLow-Eガラス生産能力は従来比約150%に拡大する見込みだ。
Low-Eガラスは、表面に特殊な金属膜をコーティングして熱の伝わりを抑える高性能ガラス。名称はLow-Emissivity(低放射)に由来しており、断熱性や遮熱性に優れ、住宅やビルの快適性向上と省エネルギー化に効果を発揮する。
同社は断熱フレームとLow-Eガラスを組み合わせた複層ガラスやトリプルガラスによる窓の高断熱化を進めており、出荷数量に占めるLow-Eガラス比率は90%を超える。近年では新築時や住宅・ビルのリフォームや改装時における開口部の高断熱化の需要も高まっており、こうした需要増加に対応するため、滑川製造所に専用建屋を新設し製造ラインを導入した。
N3B棟で生産されたLow-Eガラスは隣接建屋で複層ガラスやトリプルガラスに加工され、高性能窓「APW」シリーズなど住宅用・ビル用窓として敷地内で一貫生産される。今回の操業開始に伴い、富山婦中工場でのLow-Eガラス製造は終了し、今後は滑川製造所、埼玉窓工場、北海道工場の3拠点で生産を行う。
滑川製造所のN3B棟は延べ床面積4818㎡で、薄膜コーティングラインを備え、年間300万㎡の生産能力を持つ。投資額は建屋・設備を含め35億円。
同社は生産強化を通じて樹脂窓など高断熱窓の普及を推進し、健康で快適な暮らしと脱炭素社会の実現に貢献するとしている。

高断熱窓用「Low-Eガラス」を生産する滑川製造所N3B棟
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