野原グループのBuildApp総合研究所(東京都新宿区)はこのほど、20~70代の建設産業従事者 1257人を対象に、建設現場でのノウハウや技術の喪失について調査を行った。
回答者の81.0%が、ベテラン技術者のノウハウや技術が失われる可能性を感じており、そのうち44.5%が「5年以内に失われる」と予測する。一方で、若手へのノウハウ・技術の継承が不十分だと感じる回答者も54.3%に上った。
また、ノウハウ・技術の継承方法も「口頭での指導」(36.2%)や「打ち合わせ」(33.3%)、「図面への手書きメモ」(26.3%)などアナログな手法が上位を占めた。さらに「特に技術継承の方法は取られていない」(26.9%)も約4人に1人が回答。そもそも技術継承が進んでいない現場も多いことが明らかになった。
今後、ノウハウや技術を継承する有効な方法としては「ベテランと若手が一緒にプロジェクトを進める」(47.2%)、「ノウハウ引き継ぎの仕組み作り(引き継ぎ期間を設ける・ノウハウの継承を評価する制度を作るなど)」(34.9%)が多く挙がった。また、5人に1人は「BIMやデジタルツールを活用する」(22.7%)と答えており、デジタル化への期待もある程度見られた。
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