BESSブランドでログハウス事業を展開するアールシーコア(東京都渋谷区)はこのほど、2025年3月期の連結決算を発表した。売上高は前期比9.5%減の109億9000万円となり、営業損失は4億9100万円(前期比ほぼ横ばい)を計上。経常損失は3億8400万円、純損失は5億3000万円と赤字決算となった。
2024年6月の社長交代を機に、同社は主力のBESS事業の再建と収益構造の改善に着手。住宅展示場「LOGWAY」を起点に、顧客体験型イベントの強化、SNS発信、新商品の開発など、ブランド力の再構築に注力した。
特に昨年10月に発売した平屋の小屋タイプのログハウス「栖(すみか)ログM50s」の販売が好調で、アクティブシニア層を中心に販売数を伸ばした。また、主力商品の「ワンダーデバイス」を20年ぶりに大幅刷新し、新デザイン「NAKED」を投入。VR機器の活用によるDX推進も進めた。
非住宅分野にも注力しており、特建事業(BtoB事業)は前期比532.9%増と大きく伸長。北海道や富山県で保育施設などの木造非住宅建築の施工実績を重ね、CLTログハウスによる3階建てビルが国交大臣賞を受賞するなど成果を挙げている。

5月22日に公開した決算説明会で発表する壽松木社長
セグメント別では、直販部門の売上が5.1%増となったものの、販社部門は17.2%減、BESSパートナーズ(BP社)は14.3%減となった。一方、全体の契約高は回復基調にあり、後期は販社部門とBP社が挽回し、前期比25%増となった。新たに開始した中古住宅の仲介システム「歳時住宅事業」も拡大を図る。
壽松木康晴社長は、5月22日の決算説明会で、「先行指標となる受注の低迷も底を打った。減少していた売り上げもこれから増加に転じていく。一刻も早い業績回復に努めたい」と述べ、創業40周年となる今年を第2創業期と位置付け、「創業精神を引き継ぎながら次世代の新たな経営スタイルを打ち出していく」と意気込みを語った。
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