大手ビルダーが断熱等級7に対応した商品を打ち出し、最高水準の住宅性能を視野に入れ始めた一方、その性能を実際の住環境として体感した地域のつくり手は多くない。断熱等級7によって得られる温熱の快適性はもちろん、高性能ゆえの運用の癖や想定外の事態も、体感して初めてわかることが多い。GA HOUSE(神奈川県横浜市)は、自社のモデルハウスをつくり手に開放し、宿泊体験を通じて等級7の住空間を共有する取り組みを始めた。【編集部 峰田慎二】

吹き抜けと南面大開口のリビング。暖房はコンクリート(6畳)の床暖房(熱源はエコワン)でまかなう
所在地:神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-12-2-302
設立:2018年1月15日 社員数:10人
年間受注棟数:新築6棟前後 新築平均単価:4000万円(税込)
その他:高断熱高気密住宅の技術指導、構造・省エネ関連の申請代行
東京都町田市の住宅街に佇む「9坪ハウス」は、断熱等級7の外皮性能と細部まで配慮したディテールを備えた同社のモデルハウスだ。2024年3月の竣工以来、性能検証と体験拠点として活用されている。建坪9坪・延べ床15.5坪という小さなスケールに、尾鷲材の内装、外張り+充填の二重断熱、蓄熱床暖房など同社が理想とする全要素を凝縮した仕様とし、建築費は約3500万円(税込)。素材・温熱・設備の組み合わせを総合的に検証するための基準モデルとして位置づけている。
岡田さんは、大学卒業後大手デベロッパーで現場監督とメンテナンス実務を経験し、2000年から外断熱・高気密住宅を扱う住宅FC本部で商品企画・技術領域を担当。高性能住宅の黎明期から実務を積み重ねてきた知見をもとに、2018年にGA HOUSEを創業。現在はUA値0.3W/㎡K前後(断熱等級6〜7)・C値0.3㎠/㎡以下を基本性能に掲げ、年間6棟前後の設計施工を行う一方、全国の工務店に向けて省エネ・構造・長期優良住宅の計算代行や申請業務、さらには高断熱住宅の技術助言も提供している。
9坪ハウスの屋根・壁は、外側にポリスチレンフォーム(90㎜)の外張り断熱を施し、内側には接着剤不使用の羊毛断熱材「サーモウール」(100㎜)の充填断熱を組み合わせたダブル断熱構成とし、実質断熱等級7相当(UA値0.26W/㎡K級)の外皮性能を確保している。開口部にはエクセルシャノンの樹脂トリプルガラスサッシを採用した。
この住宅では、主要な構造と内装を三重県・尾鷲産の自然乾燥スギ・ヒノキで統一している。構造材には・・・
この記事は新建ハウジング12月10日号6-7面(2025年12月10日発行)に掲載しています。
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