Reborn(リボーン)は、寒冷地・長野で、高い性能を軸にデザイン性や自然素材の活用など全方位に優れる家づくりで人気の工務店だ。「断熱職人」(登録商標)の“旗”を掲げて活動する同社の取締役GM・一級建築士の塩原真貴さんに象徴されるように、新築・リノベーションを問わず、住む人にも地球環境にも優しいエコハウスの普及を目指す企業としてのスタンスが、以前にも増して暮らし方や環境への意識の高い人を呼び込むきっかけになっている。【編集部 関卓実】
電気料金の高騰が続き、食料品・日用品など物価上昇が家計を圧迫するなか、塩原さんは自社に家づくりの相談に訪れる顧客の傾向から、「一般の人たちの(経済的な理由による)省エネに対する意識は明らかに高まっていると感じている」。
ただ、現状では「将来的な電気料金の高騰などに漠然と不安は感じてはいても、実際に細かく自分の家庭の消費電力や電気料金について把握していて、どのような対策をとっていけばいいかイメージできている人はほとんどいない」という。
エネルギーの話が“入り口”
電力消費・料金から解説
だからこそ、以前から家づくりの“入り口”的に塩原さんがレクチャーする省エネに関するマニアックとも言える話が「かなり施主に響きやすくなっていて、住宅の性能や、高性能住宅での暮らしのメリットを伝える面でも強いフックになっている」とする。
塩原さんは、まずは一番身近な電力消費と電気料金から解説する。年間の電力消費量と電力単価からどれぐらい電気料金がかかっているか、それに対して太陽光発電設備を搭載したパターンでは、売電収入も含めてどれぐらいコストを抑えられるかを具体的な数字によって示す。同時に、高い断熱性能によって、冷暖房などの電力消費量そのものを大幅に少なくできることも説明する。
結果として「太陽光発電を載せない手はない」という理解が浸透する。同社では現状、年間に手がける新築8棟、リノベーション2棟における太陽光発電の搭載率は100%だ。自社の実績も踏まえて、太陽光発電設備の設置にかかる初期費用は1kW当たり20万円程度、初期費用の回収期間はおおむね8~10年としている。

床上浸水の被害を受けた築47年の木造2階建て・延べ床面積47.75坪の2階部分を完全に撤去し、断熱等級7の性能を備える平屋へとスケルトンリノベーション。4.44kWの太陽光発電設備を搭載している
蓄電池は初期費用高く少数
卒FITオーナーに提案予定
一方で・・・
この記事は新建ハウジング5月20日号3面(2025年5月20日発行)に掲載しています。
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