「大工とつくるナチュラルでかわいい家」をブランドコンセプトとして掲げる棲家は、「人」と「想い」を重視する代表の山﨑貴則さんの経営姿勢のもと、新築受注を年間上限5棟と決め、素材選びや設計・施工から施主や協力会社との関係性に至るまで「丁寧な家づくり」を貫く。内製化によるコストコントロール機能など、大工工務店としての特性をフルに生かし、自然素材をふんだんに用いた高性能住宅を、できる限りコストを抑えて提供。土地・建築価格の高騰が深刻化するなかで、施主に寄り添うスタンスが評価され、近年は紹介受注が8割を超え、2年先までの着工枠が埋まる“行列状態”が続く。【編集部 関卓実】
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棲家が手がけた住宅事例。自然素材をふんだんに用いた高性能住宅が「大工とつくるナチュラルでかわいい家」のブランドとして定着している |
棲家が手がける住宅は、耐震等級3相当・断熱等級6・C値0.3㎠/㎡以下という、高いレベルの性能が標準仕様。同時に、「健康で心地よい暮らしを支える自然素材」にもこだわり、断熱材は天井と壁に羊毛断熱材・ウールブレスか木質繊維断熱材・シュタイコゼルを採用。構造材には、柱(4寸角)に三重県産の無垢ヒノキ材、梁や桁には高い強度で知られる「天竜材(静岡県)」の無垢ヒノキ材を用いる。
玄関やLDKの床には重厚感のあるオークの無垢材、寝室や子ども部屋には肌触りが柔らかく、温かみもあるパインの無垢材を使用し、いずれも自然塗料のリボスで仕上げる。外壁にはスイス漆喰・カルクウォールかガルバリウム鋼板を採用。室内の壁や天井もカルクウォールか、もしくは紙クロス・オガファーザーなど、テクスチュアが豊かで調湿性など機能的にも優れた素材を使う。
「普通の人が手の届く価格で」
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左:床材などを大量に一括仕入れしてストックしておき、現場ごとに自社の大工が加工して塗装まで行うことでコストを削減 右:左官作業も大工が行うなど、内製化率を高めることでコストダウンを図る |
プラン・設計を山﨑さんが手がけ、施工(現場)に関しては山﨑さんを含む3人の社員大工が連携して進める設計・施工一体型の体制のため、“現場発”の工夫やディテールを、短時間で設計に直接フィードバックして標準仕様として落とし込みながら、品質をブラッシュアップしていけるのも強みだ。小屋裏(2階天井裏の水平面)にも合板を張って構造強度と気密性を向上させたり、石膏ボードを2枚張りして漆喰のひび割れを防ぐといった手法などを標準化している。
高い品質・性能を確保しながら、大工による内製化率を高めることで・・・
この記事は新建ハウジング4月20日号2面(2025年4月10日発行)に掲載しています。
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