離れのリフォームを頼まれたBさん。母屋の奥さんが着工日から毎日、午前10時と午後3時に、お茶とお茶菓子を持ってきた。高齢でもあり、負担になってはいけないと思ったBさんが「お茶出しは要りませんよ」と伝えると、奥さんはみるみる不機嫌になって現場から出ていってしまった。【住宅ライター:渡辺圭彦】
Bさんはリフォーム会社の社長であり、自らも現場で施工に携わる。父から事業を継承し、主に地域の住宅や店舗のメンテナンス、増改築などを手がけている。今回、問題となった顧客も父の代から付き合いがあり、ご主人とは町内会でも顔を合わせている関係だ。
仕事してくれているのだから
何もしないわけにはいかない
思えば、奥さんはリフォームの打ち合わせのときから、しきりにお茶出しについて気にしていた。そのたびに「いや、今どきは職人たちも自分のペースで仕事しますし、適当に休憩を取りますから、気にしないでください」という旨を何度も伝えていたのだが、奥さんも「そうは言ってもうちに来て仕事してくださるのだから、何もしないというわけにはいきません」と言い、「ああ、どうしようかしら」と思い悩む風だった。
Bさんは奥さんとあいさつ以上の話をするのは、これが初めてだったこともあり、「細かいことを気にする人なんだなあ」という程度に捉えていたという。
あれ?要らないと伝えたはずだが…
いざ工事が始まると、奥さんは毎日、お昼も含めると3回、お茶出しにやってきた。Bさんは「あれ?要らないと伝えたはずだが」と思いつつも、ありがたくいただいていた。
しばらくすると、奥さんは・・・
この記事は新建ハウジング1月30日号8面(2025年1月30日発行)に掲載しています。
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