松尾和也さん流エコハウス設計メソッドを毎月10日号でお届けする本連載。今回は、高性能住宅に長けた松尾さんだからこそ感じる、昨今の“G3事情”について解説します。
本来、G3というのは、私のように高断熱住宅歴20年を超える人間にとってもなかなかハードルが高い聖域のように感じる領域です。当社もやらないわけではないのですが、私が推奨するG2.5までは工事費の上がり方が非常に緩やかなのに対し、そこから先は急激に上がるようになります。
また、さまざまな条件でシミュレーションを行ってもG3で暖房費の元が取れるようになるのは、かなり早めになるように条件を設定しても40年以下になることはまずありませんでした。ですので、私は現時点で積極的にG3を勧めることはありません。ただ、お施主様が「費用がかかってもどうしてもやりたい」というようなときは、断わる理由もないので対応しています。
また今後、想定以上に電気代の上昇率がアップする、もしくはG2.5からG3にアップするための費用が現状よりかなり安くなるなどして、G3の経済性が高まってきたと判断する時期が来るかもしれません。そのときには躊躇なくG3に変えていきます。
これまで、同様の例で言うと、太陽光発電。もっと最近の例でいくと・・・
この記事は新建ハウジング1月10日号part1・12面(2025年1月10日発行)に掲載しています。
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