今回の雨漏り修理事例は、施主が見つけた雨漏りの箇所とは異なる部分で浸入箇所を突き止めた例だ。先入観や思い込みに左右されると、瑕疵を見失うことにもなりかねない。論理的に仮説を立て、考えうる限りの雨漏りのリスクについて検証していくことが重要だ。そのプロセスについて、事例をもとに調査・修理の段階ごとの注意点も含めて、ご紹介する。
先入観や思い込みに振り回されずに
論理的に雨漏りのリスクを検証する
今回取り上げるT邸で、雨漏りが判明したのは、新築からもうすぐ10年が経とうしていた頃のこと。2階の部屋の壁にシミのような跡があることに気がついたのだという。
施主のTさんは雨漏りであることを疑ったものの、新築工事を行った施工会社はすでに倒産。どこへ相談したらいいかもわからない。図面や確認申請書などをおさめたファイルをめくっていくと、瑕疵担保責任保険についての資料を発見。これを見て瑕疵保険会社へと連絡することができた。そして第一浜名建装へ調査の依頼が来たというわけだ。
事前調査では図面との相違、建材の現況などを確認
雨漏り調査にあたって、調査の計画を検討するため、まずは現地で目視による事前調査を行った。このとき、Tさんの手元にあった図面を見て驚いた。図面があまりにも簡易すぎるのだ。これでよく新築住宅が建てられたものだ。
目視の段階ですでに図面の断面図と実際の状態が違うことに気づいた。また・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー12月号(2024年11月30日発行)鉄板ディテールすぐデキ[超]造作術』(P.76〜)でご覧ください。
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