独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、太陽光発電設備の台風被害について注意喚起を行った。屋外設置が基本の太陽光発電設備は強風や豪雨の影響を受けやすく、近年も台風によるパネルの飛散やパワーコンディショナ(PCS)の浸水などの事故が相次いでいる。
NITEの調査では、2019~2024年度に全国で計54件の事故が報告されており、大型台風だけでなく規模の小さい台風でも被害が発生している。被害の傾向として、風通しのよい平地や海岸沿いでは強風による破損や飛散、河川付近では浸水、山間部では土砂流出と、地形ごとに特徴が見られるという。
事故防止には台風接近前後の点検が不可欠であり、固定金具や架台のボルトの緩み、排水経路の詰まりなどが放置されると事故リスクが高まる。実際の立入検査でも、ナットの脱落や杭の浅い埋設など改善を要する事例が確認されている。
NITEは、設置者や管理者に対し、気象情報の確認、連絡体制の整備、排水路の清掃や補強工事の検討など、平時からの備えを強調。台風通過後も安全確認を徹底し、被害があれば速やかに応急処置と改修を行うよう求めている。

左:台風時の強風により破損した事例(出典:「電力安全小委員会の各ワーキンググループにおける検討事項等について」経済産業省 第22回産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会)
右:台風時の水害により水没した事例(出典:「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」環境省)
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