住宅価格の高騰が続く中、住まい選びの意識が変化している。グローバルベイス(東京都渋谷区)が実施した「パワーカップルの住まい選び」に関するアンケート調査によると、マイホーム購入時に重視する点は「立地」(56.5%)や「駅からの距離」(43.1%)が上位となった。一方で「新築かどうか」を重視する人は全体の10%にとどまり、多くは中古住宅+リノベーションを選択肢に入れていることが明らかになった。

新築住宅を希望しない理由では、「価格が高く手が届きにくい」(61.3%)が最多で、次いで「条件に合う物件が少ない」(57.4%)が続いた。リノベーション(マンション)を前向きに考える人の半数以上は「内装にこだわれる」「間取りを自由にカスタマイズできる」点を評価しており、コスト面だけでなくライフスタイルへの適合性が重視されていることも分かった。
また、世帯年収600~1000万円の「ミドル層」では「新築よりコストを抑えられる」が61.7%と最も多かったが、パワーカップルでは46.7%にとどまり、層によって重視点に差がみられる。

特に都心部では、新築分譲マンションの供給が限られる一方で価格は高止まりしている。そのため、利便性の高いエリアで「自分らしい住まい」を実現できる手段として、リノベーションが浸透しつつある。
グローバルベイスは「住宅市場では今後も既存住宅の活用が一層進む。新築と並行してリノベーション提案を強化することが、顧客の多様なニーズに応えるカギになる」としている。
調査は6月26日、東京23区内に住む20~50代の男女1050人を対象にインターネットで実施。そのうち世帯年収1400万円以上の夫婦(パワーカップル)が400人、世帯年収600~1000万円の夫婦(ミドル層)が650人だった。
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