リノベーションプラットフォームを展開するリノベる(東京都港区)は、同社のワンストップサービス「リノベる。」の実績をもとに、2025年の住まいづくりトレンドを発表した。中古マンション購入+リノベーションを選ぶユーザーの間で、従来の「リノベらしさ」から脱却し、より個人の価値観や快適性を重視する“自分軸”の住まいづくりが進んでいるという。

今回の調査で見えてきたのは、「タイパ・スぺパ」(時間・空間の効率性)に加え、「脱リノベ感」「多幸感」「キャンセル消費」といった、精神的な満足や自分らしさ(自分軸)を重視する志向だ。リノベるではこれらを「ウェルビーイング」志向の住まいと捉え、以下4つの潮流を紹介している。
①「脱・リノベ感」──静かなぜいたくを住空間に
これまでのリノベーションに多かったインダストリアルや古材の無垢材といった“らしさ”から離れ、ミニマルで洗練された空間を求める傾向が強まっている。背景には、ファッション業界発の「Quiet Luxury(静かなぜいたく)」の価値観があり、装飾よりも質や佇まいを重視する感性が住まいにも波及している。
②間取りの常識を超える自由設計
「タイパ(Time Performance)」「スぺパ(Space Performance)」に加え、手間やコストを省く「キャンセル消費」の考え方が浸透。洗面を廊下やリビングに設ける「主役化」、浴槽を省いたシャワールーム設計、回遊動線による家事効率の向上など、住まいの自由度が格段に高まっている。
③韓国インテリアの台頭
SNSを中心に人気を集める韓国インテリアが、住空間全体に広がりを見せている。シャーベットカラーや丸みのあるフォルムなど、幸福感ややわらかさを感じさせるデザインが支持されており、リノベるの空間デザインツール「sugata」でもインプレッション上位にランクインしている。
④省エネリノベの拡大
ZEHや補助金制度の認知拡大により、省エネリノベーションへの関心が急上昇。二重窓の採用は3年で3.4倍に増加し、法人向けの一棟リノベでもZEH水準の賃貸住宅が登場するなど、快適性と環境配慮を両立する動きが加速している。
リノベるのデザイナー・本多史弥さんは、「すべてのトレンドの根底には、精神的・身体的な充足を目指す“ウェルビーイング”の考え方がある」と話す。リノベるでは、住まいが人に寄り添うことで、より豊かな暮らしと社会の実現につながるとし、今後も「本当にしたい暮らし」に向き合う姿勢を貫いていくとしている。
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