建設業界の技術者派遣を行うワールドコーポレーション(東京都千代田区)は、全国の建設現場で就業する15歳~39歳の若手社員600人を対象に「建設業で働く若手の本音」を調査し、このほど結果を発表した。
入社前の建設業に対する印象は、「きつい・体力勝負で大変そう」(44.8%)、「上下関係が厳しそう」(28.2%)、「休みが取れなさそう」(27.3%)が上位を占め、従来の3Kのイメージが根強い。若手にとって、体力・上下関係・休暇への不安が心理的なハードルになっていることがうかがえたが、入社後は、72.5%が「入社して良かった」と回答。「手に職がつき、将来の自信につながる」(22.0%)、「思っていたよりも“頭を使う”仕事で面白い」(21.0%)、「成果が形に残ることにやりがいを感じる」(17.0%)など、知的好奇心や達成感を感じていることがわかった。また、「人間関係が良く、働きやすい」(16.7%)など、入社前の厳しい職場イメージとのギャップも明らかになった。
さらに、建設業を「AIや機械に取って代わられにくい、仕事がなくならない安心感のある職業」(12.5%)とする声もあり、将来性や職業的安定性を重視する層に、「選ばれる理由」になりつつあることもわかった。
「建設業で働く上でのやりがい」について聞いたところ、1位「建物など“形に残るもの”を作れること」(25.7%)、2位「社会に必要とされている実感」(20.8%)、3位「建物やインフラが完成したときの達成感」「給与と待遇」(いずれも9.2%)という結果になった。「社会や人々の役に立っている」「成果が目に見える」ことにやりがいを感じていることがうかがえる。
また、約8割(75.5%)が「成長を実感している」と回答。「新しい知識や技術」(28.7%)だけでなく、「相手に合わせて言い方を変える」(19.5%)、「自分の考えを簡潔に説明できる」(18.7%)といったコミュニケーション能力が身についたとしている。

職場に求める育成・サポート体制については、「わからないことをすぐに先輩や上司に聞ける環境」(32.8%)が最も多く、「悩み事を相談できるフォロー体制」(25.2%)、「スキルアップにつながる研修プログラム」(21.3%)が続いた。知識や技術の習得だけでなく、心理的な安全性や成長機会への期待が強いことも明らかとなった。この結果は育成環境の整備が、若手の定着と活躍に重要であることを示唆していると言える。

同社は、建設業の3K(キツイ・キタナイ・キケン)のイメージは、近年のデジタル技術の導入や働き方改革によって、3S(支え合える・スキルが身につく・将来性がある)の時代に移行していると指摘している。
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