全国知事会はこのほど、2025年度「第1回人口戦略対策本部会合」を開き、人口減少に向けた対策と国に求める支援策をまとめた緊急提言案(PDF)を公表した。提言案では政府に対し、人口減少対策を最優先課題に位置付け、企業や大学の地方移転などを通じた分散型社会の構築、人口減少下でも持続可能な生活環境づくりなどに必要な支援を求めている。

本部会合の様子(全国知事会公式サイトより引用)
分散型社会の構築については、新たな人の流れを生み出す関係人口の創出に向け、二地域居住や交流・循環・結びつきを促進する取り組みの強化が必要だと指摘。移住支援金や起業支援金の要件緩和や、移住・定着に必要な財源確保にも取り組むべきだとした。
また、政府は住所地以外の地域への登録を可能とする「ふるさと住民登録制度」の創設にこのほど着手したところだが、提言では同制度が登録者にとってインセンティブが働くような制度設計となるよう、地方自治体に対して十分な財源措置も含めた支援を講ずるよう求めている。さらに、二地域居住を促進するための税制改正など総合的な取組を実施することを要請する。

「ふるさと住民登録制度」のイメージ(総務省)
ゆとりある住環境整備も要望
他に、住環境の満足度と理想の子供の数には相関関係があることから、子育てに適したゆとりある住環境の整備に関する内容についても提言に盛り込んだ。併せて企業に対して、場所にとらわれずに働くためのテレワークやワーケーション、サテライトオフィスの導入といった、働く場所の分散化を求める。
持続可能な生活環境づくりでは、生活の基幹となる公共インフラや公共交通などの社会基盤の維持に向け、民間事業者の事業承継に係る支援や人材確保対策に対して包括的かつ柔軟に財政支援を行うよう要請する。
■関連記事
「地方創生2.0基本構想」を閣議決定 安心できる生活環境を
二地域居住事業2次募集で14団体を採択 3次募集も予定
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。




























