全国建設労働組合総連合(全建総連)は、今年1月から3月にかけ、4回目となる一人親方に対するインボイス制度の影響を調べるアンケートを行った。消費税分が上乗せされていない、または受注価格が減った事業者は、課税事業者、免税事業者ともに第3回調査から減少。しかし、依然として15~16%は消費税分の支払いを受けられていないと回答している。
免税事業者から課税事業者に転換した組合員の場合、84.0%が、単価に消費税分が上乗せされている。前回(34.9%)から50%近い上昇となった。インボイス制度導入後も免税事業者として仕事をしている組合員も、8割以上が、受注価格は以前と同等以上だと答えている。
一方、免税事業者で受注価格が減った回答者のうち、50.5%は取引先と話し合いが「できなかった」と回答。前回の47.1%からやや増加した。さらに、消費税10%相当の減額に遭遇した組合員も54.0%に達した。
同組合では、活動を通じて取引先への働きかけの必要性が周知されたことに加え、8割控除などの特例も認知度が高まっているのが理由のひとつだと見ている。一方、人手不足の中で発注者が技能者を確保するため、やむなく消費税を負担して免税事業者に発注していることも、今回のような結果になった要因だと指摘。制度自体の見直しや、負担軽減措置の延長がより重要になっているとした。
回答者のうち免税から課税に転換した事業者は2904人。インボイス制度開始後も免税である事業者は2602人だった。
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