ログハウスブランド「BESS」を展開するアールシーコア(東京都渋谷区)はこのほど、同社が開発した屋外木部の再塗装時に既存塗膜の除去を不要にする施工技術「リオペーク」が、4月に特許を取得したと発表した。
従来の工程では再塗装の際、既存塗料を除去するためのケレン作業やブラスト処理が不可欠で、粉塵や騒音の発生が課題となっていた。また、剥離剤を使用する際は、環境に影響する物質を含む場合があるため、使用後の回収や廃棄処理が必要だった。
そのため同社は、キャピタルペイント(大阪府)協力のもと、BESSオリジナル下地処理剤の商品化を実現。ケレン作業・ブラスト処理・剥離剤使用を行わず、既存塗料を除去せずに、耐久性の高い再塗装を実現する再塗装技術を開発した。
「リオペーク」導入により、再塗装時の下地処理工程が、ケレン作業よりも費用・労力ともほぼ半減したという。木造建築におけるメンテナンスの手間・費用の軽減と環境負荷の抑制を実現するとともに、公共木造施設の維持・管理コストの課題にも対応するとしている。
実証実験では、「リオペーク」の高い耐久性を確認。長期的なメンテナンスコスト削減と耐用年数の向上に寄与することから、複合型商業施設での採用が決定した。また、キャピタルペイント社と共同でBESSの建物以外への「リオペーク」の試験提供を開始する。

「リオペーク」を用いたログハウスの再塗装の施工例
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