少子高齢化や若年層の志向の変化で持ち家(注文戸建て)市場が縮小する中、新たな市場として賃貸住宅の可能性が浮上しつつある。ただ事業化するうえで悩ましいのがオーナーとの出会い。デザインライフ社長・杉村洋介さんは、相続コンサルタントとしての活動を通じ、相続対策としての新築戸建て賃貸をビジネス化。フランチャイズとして他社にも戸建て賃貸事業を展開し始めている杉村さんに、戸建て賃貸の可能性と、相続を受注に結び付けるポイントを聞いた。

自社の事業で得た相続コンサルタント事業、新築戸建て賃貸のノウハウをフランチャイズで他社にも展開。事業者向けのセミナーで話す杉村さん
杉村さんは2007年、母親が経営する保険代理店に入社。11年に独立して生命保険や損害保険を扱いつつ、資格を取ってファイナンシャルプランナーとしても活動した。
2015年からは新たに相続コンサルタント事業をスタート。まずは相続の当事者を含む生活者に対してアプローチした。地域のフリーペーパーに広告を出稿し、セミナーを開催したところ、1回のセミナーで100人が集まるほど盛況だったという。
当初は保険のニーズが高かったが、相続コンサル事業を展開していくうちに、実家の処分など不動産に関する課題が多いことに気づく。ここにマネタイズの可能性を感じ、18年に宅建業の許可を取得。24年にはLIFE QUARTET(三重県津市)の住宅ネットワーク・UNSTANDARDに加盟し、建築のコンサルティング事業にも乗り出した。
戸建ての利点はアパート以上のリセールバリュー
相続に関連する建築のニーズとしてすぐに思い浮かぶのはアパートなどだろう。対して杉村さんが考案したビジネスモデルは「新築戸建て賃貸」。上下水道が整備されている既存宅地(空き家)を活用して新築の戸建て住宅を建て、賃貸住宅として運用しようという提案だ。
新築戸建て賃貸の利点は・・・
この記事は新建ハウジング6月10日号8面(2025年6月10日発行)に掲載しています。
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