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相続コンサルタント事業を手がけるデザインライフ(岡山市、杉村洋介代表)は今年4月、相続コンサルタントFC「DL-CONSULTANT」を始動した。工務店が「相続の相談窓口」となることで、本業の新規顧客開拓や集客増、売上増につながるとして注目を集めている。だが、いざ相続相談の業務を始めるとなると、不安や疑問が生じるのも事実だ。工務店が足踏みしがちな5つの課題について、杉村さんに答えてもらった。

株式会社デザインライフ 代表取締役 杉村 洋介さん
Q1. 相続は専門的で難しそう。知識がなくても本当にできるの?
A. 建築も一般的には難しい世界。相続だけが特別というわけではない
相続というと「難しい」と感じる人が多いが、これは「相続=弁護士」「相続=揉めごと」といったつくられたイメージが定着しているから。
翻ってみると、建築だって第三者からすれば難しい世界だ。それでも工務店は日々建物を設計して建築している。つまり、相続だけが特別難しいわけではなく、自分たちの本業以外の分野が難しく見えるのはごく当たり前のことなのだ。「本業の延長線上に相続の問題があり、それを解決するのも工務店の仕事」と捉えてみてはどうだろうか。
とはいえ、相続を事業として継続的にやっていくために材料や環境をイチから準備するのは大変な労力が要る。行き詰まった時の相談先も必要だ。FCにはすでにそれらすべてがそろっている。
Q2. 集客がイメージできない
A. セミナー、業務提携、紙媒体を軸に本部が全面支援。最後は「紹介」に
集客は、①セミナー、②業務提携、③紙――これら3つの組み合わせが基本となる。
FC本部では毎月5講座の相続セミナーを実施しており、加盟店はそれを各地の会場でライブ配信する形式のセミナーを開けばいい。自分たちが相続のプロとして専門的な話をする必要はないため、ハードルはグッと下がるはずだ。セミナーの大きな目的は集客だが、最初から結果を期待しないこと。来場者が来なくても継続的に開催し、「相続セミナーを1年間やった」という実績が何より大事。それが後々ブランドになっていく。
業務提携は、各地域ですでに信用のある業種の企業や団体、士業と仲間づくりをするというもの。提携先は弁護士や司法書士、保険代理店、不動産管理業者・売買仲介業者、AFP、葬祭業者、福祉施設、医療関係など。信用がある人・企業を間に挟むことで、人が集まりやすくなる。
そして、「紙」の媒体を使うこと。これもかなり大きなポイントとなる。ついWebでの集客に意識が向くが、相続のターゲット層である50代以上は、実生活でいくらWebを使いこなしていても、信頼性という意味では圧倒的に紙の情報を支持する。FC本部では、相続情報に特化した読み応えのある雑誌やタブロイド紙を発行、加盟店はそれらを集客・追客ツールとして利用できる。

これを1年間続ければまわりの見る目が変わり、信用が上がり、業務提携やセミナー集客がしやすくなり、やがて相続相談・紹介が来るようになる。そして、「相続の相談窓口」を極めていくと、最後は「紹介」に行き着く。今年で10年目の当社・デザインライフの場合、顧客の95%は紹介によるもので、いわゆる集客活動はほとんど要らなくなっている。
さらに、FC本部が相続のYouTubeチャンネルをスタート。BtoCとBtoBの2つのチャンネルを通じて「相続コンサル」の周知を図る。加盟店にはこれも上手に利用してほしい。
Q2. 人材を確保できない。相続事業に人員を割けない
A. むしろ相続をやることで人材確保がしやすくなる
人を採用できない、人手不足で新しいことにチャレンジできないのだとすれば、むしろ相続の相談窓口を始めることをおすすめしたい。会社の見え方が大きく変わるからだ。
当社では積極的にお金をかけて人の募集をしていないが、社員は毎年増えている。それはなぜか。当社でしかできない「相続」という仕事に魅力や可能性を感じているからだと推測する。相続は人口の半分以上が関わる巨大マーケットであり、縮小が続く住宅市場と相続市場をつなげることは、外からの見え方をポジティブに変えるきっかけになる。
商圏人口が少なく人材確保が難しい地方にも相続はおすすめだ。こうしたエリアでは士業に相続問題が丸投げされており、相談者の悩みや希望、資産状況に応じた根本的な解決に至っていないことが多い。そこで、地域の工務店が相続の相談窓口として、最先端の情報発信+問題解決ができる存在になれば、間違いなく競争力をもてる。
また、社員2-3人規模のナノ工務店でも相続の事業化は可能だと考える。現加盟店のなかにも2-3人規模の工務店がいるし、私自身も社員2人から始めてこの事業モデルをつくった実績がある。個人的には、工務店幹部に相続担当をやってもらいたい。幹部のブランディングにも、経営の強化にも直結するからだ。
Q3. お金はどのくらいかかるの?回収できる?
A. いまなら加盟金150万円、月会費5万円。十分ペイできる
加盟金は220万円、月会費は10万円(いずれも税込)。加盟金は前述した集客のための紙媒体制作やYouTubeチャンネルの開設・運営、相続対策シミュレーションシステムの開発などの活動費に充てるもので、投資と捉えてほしい。
気になるのは月会費10万円を回収できるかどうかだろう。相続の相談窓口として「相続コンサル契約」が結べた場合、1件の契約料は55万円(生前対策プランの場合)。2件以上契約できれば1年間の会費をペイできる計算だ。
もちろん、相続コンサル契約フィーで収益をあげることがゴールではない。相続コンサルでは顧客の財産目録を作成し、持っている資産を見える化し、相談者の要望を聞きながら問題提起もする。例えば、収益性が極めて低い駐車場が財産目録にあり、そこに賃貸物件を建築したほうが収益性が上がると判断できれば、賃貸住宅の建設を提案することもある。するとそこに、本業の建築の仕事が生まれる。
当社がいま動いている案件では、似たようなケースで6棟の戸建て賃貸建築が決まった。1棟粗利を300万円とした場合、利益額は1800万円。こんなふうに提案次第で、「収支改善」や「節税対策」を目的とした建築の仕事につながることも珍しくない。これは、従来の視点・切り口では得られなかった新しい仕事であると同時に、工務店にしかできない仕事だ。これ以外にもマネタイズの機会・メニューは多数ある。
なお、2025年12月末までは加盟金150万円、当初半年間の月会費5万円(いずれも税込)のキャンペーン価格を設定している。
Q3. 相続をやるかやらないか、まだ悩んでいる。背中を押す一言を
A. 相続は「攻め」ではなく「守り」。経営者として「やらない選択肢」はあるのか?
工務店が相続の相談窓口を新たにやると聞くと、チャレンジのように聞こえるかもしれないが、これは「攻め」ではなく「守り」の対策だ。
ターゲット層である50代以上は日本の人口の半分以上を占め、今後さらに増えていく。相続という巨大なマーケットはすでにあり、やってもやらなくても巻き込まれる日が必ず来る。そうした未来を知ってもなお、相続コンサル事業をやらないという選択ができる経営者はいるだろうか?
縮みゆく住宅市場でも先端をものすごく尖らせて突き抜け、強力に差別化できれば商機はある。けれども、少ない顧客を取り合って生き残るのはなかなかしんどい作業だ。
私は、この苦しい状況を「機会」と捉え、別の見せ方、別の入口、別の可能性を探る工務店に「相続の相談窓口」を始めることを改めて提案したい。こちらは大きく膨らんでいく市場だ。
「縮む市場」と「膨らむ市場」を結びつければ、まだまだ興味深いこと、ワクワクすることができるはずだ。
| 株式会社デザインライフ 〒700-0975 岡山県岡山市北区今3丁目9-12-1F |
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