建設産業専門団体連合会(建専連)はこのほど公表した「働き方改革における週休二日制、専門工事業の適正な評価に関する調査結果報告書」(PDF)の中で、技能労働者の処遇に関する調査結果を報告している。
同調査は、正会員34団体に所属する会員企業およびその下請企業を対象に行ったもので有効回収数は834件。調査期間は2024年11月12日~12月16日。
技能労働者の採用が困難に
これによると、技能労働者の採用状況は「予定通り採用できた」(19.1%)、「採用できたが予定人数を下回った」(24.1%)が2割程度にとどまったのに対し、「必要だったが1人も採用できなかった」が41.1%と最も多くなった。企業規模や職種に限らず、軒並み採用が難しくなっている。

技能労働者の採用状況
会員が雇用する登録基幹技能者の平均給与額は40万3704円。職長は36万4441円、日本人技能労働者は30万6548円、外国人技能実習生は21万2662円、外国人就労者は27万5750円となった。熟練技能を保有する立場ほど給与支給額が高い傾向が見られる。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録申請状況で比較すると、CCUSを積極的に活用している企業ほど給与水準が高い傾向が見られた。
基幹技能者の認知度低く
一方、基幹技能者の評価については、「金銭的な処遇がある」(15.4%)、「表彰がある」(9.9%)、「優先発注につながる」(7.8%)との回答はわずかにとどまり、「特になし」が7割となっている。CCUSのレベル4に該当する基幹技能者だが、建設現場ではそのスキルの高さが十分に評価されていないことが分かる。
個別意見でも、「建築系のゼネコンは入札時の加点などもなく、資格の難易度すらわかっていない」(型枠大工・京都)、「元請企業は知らない職員が多く、取得するメリットがあまり感じられない。1級技能士免許の方がまだ使える」(塗装・神奈川)、「基幹技能者になって10年以上経つが、金銭面での恩恵を受けたことがない」(圧送・千葉)など、認知度やメリットの低さを嘆く意見が目立った。
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