厚生労働省は2月4日、技能検定職種に「シャッター施工」を新設し、2025年度から試験を実施すると発表した。「シャッター施工」は、重量シャッターの施工に関する職種で、主に戸建・集合住宅、ビルディング、ガレージ、店舗などの建築物や工作物の開口部に、防災・防犯などの目的で設置されるものを対象とする。
近年、建築物の高度化・多様化により、重量シャッターが高機能化しており、施工者の適切な能力評価や処遇改善のベースとなる資格制度が求められていた。同省では「重量シャッターの施工に従事者の技能および施工品質の向上、若年労働者の新規入職促進の効果が見込まれる」と期待を寄せている。
重量シャッターの知識・技能を評価
「シャッター施工」検定試験は、1級・2級・3級の3段階に分かれ、それぞれシャッターの施工作業を適切に行うために必要な技能・知識を評価する。第1回試験は、8月下旬に学科と実技試験(判断等試験)を実施。10月にかけて実技試験(製作等作業試験)を行う予定。
判断等試験では、実際的な対象物、現場の状態、状況などを説明した設問により、判別・判断、測定・計算能力を問う。製作等作業試験では、制限時間内に組立て、調整などを適切に行えるかを評定する。
試験業務を行う試験機関には、(一社)日本シヤッター・ドア協会が指定された。同協会は1964年に設立。国内では重量シャッターの施工に関連する唯一の団体で、各種講習会のほか、協会資格として「シャッター施工技能者資格認定試験」を実施している。
同協会では、今回技能検定職種に追加されたことを契機に、シャッター業界内で統一的な能力評価基準を設け、建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携に向けて取り組む考え。
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