国土交通省は12月24日、2025年の一級建築士試験・設計製図の試験(10月12日実施)の合格者を決定。設計製図試験の受験者1万1381人のうち3988人が合格した。合格率は35.0%で前年より8.4ポイント上昇した。学科試験からの受験者3万5127人に対する総合合格率は11.4%で、同2.6ポイント上昇している。
合格者の受験番号については、建築技術教育普及センターのウェブサイトに2026年1月25日まで掲載している。

直近5年間の試験結果
合格者の平均年齢は30.0歳で、前年より1.0歳上回った。年齢層別では「24~26歳」が30.3%で最も多く、次いで「27~29歳」(20.8%)、「30~34歳」(17.5%)の順となった。学生を含む「23歳以下」は10.4%だった。男女比は「男性」が67.8%、「女性」が32.2%で、女性の比率が1.5ポイント増えている。
日大が最多の156人
学歴・資格別の内訳は「大学」が最多の70.6%となり、次いで「二級建築士」(18.4%)、「専修学校」(5.9%)の順となった。職域別では、「建築士事務所」(29.6%)、「建設業」(34.9%)、「住宅メーカー」(14.3%)が上位を占めた。職務別では「建築設計」(40.9%)、「施工管理・現場管理」(18.6%)、「構造設計」(6.8%)の順に多かった。
大学別では、「日本大学」(156人)、「東京理科大学」(103人)、「芝浦工業大学」(103人)、「近畿大学」(91人)、「早稲田大学」(84人)、「工学院大学」(77人)などで多くの合格者を出した。

職域別・職務別の属性
町庁舎の設計を出題
設計製図試験(PDF)では、住民交流スペースを有する地方公共団体の「庁舎」計画について出題。住民に親しまれている公園に隣接した敷地への建築計画を求めた。
設計条件では、⑴ 誰もが使いやすい施設計画(ゾーニング・動線計画)、⑵ 夜間、土日祝日におけるセキュリティへの配慮、⑶ 省エネルギー・CO2排出量削減への配慮、⑷ 大地震などの自然災害が発生した際の庁舎の機能維持(耐震・免震・制振構造、発電設備など)―に重点を置いた。
採点結果の割合は、「ランクⅠ」(35.0%)、「ランクⅡ」(1.6%)、「ランクⅢ」(53.7%)、「ランクⅣ」(9.7%)となり、このうち「ランクⅠ」を合格とした。不合格のうち「ランクⅢ」「ランクⅣ」では、設計条件に満たなかった要因として、要求室・施設などの特記事項の不適合や、高さ制限への適合が確認できる情報の未記載が目立った。他に直通階段に至る重複区間の長さなど、法令への重大な不適合も見られた。
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