YKK AP(東京都千代田区)とパナソニック ホールディングス(大阪府門真市、以下パナソニックHD)は11月20日、大阪市の谷町YFビルで、ガラス型ペロブスカイト太陽電池を組み込んだ内窓による建材一体型太陽光発電(BIPV)の実装検証を開始した。内窓へのガラス型ペロブスカイト太陽電池の実装検証は国内初となる。
2025年2月閣議決定の第7次エネルギー基本計画では、2040年までに太陽光発電の電源構成比率を23~26%に引き上げる方針が示され、ペロブスカイト太陽電池の導入目標も明記された。一方で日本は平地面積が限られるため、建物の窓や壁面などを活用した太陽光発電が不可欠だ。さらに透過性や意匠性も重要な要素となる。
今回使用するガラス型ペロブスカイト太陽電池は、パナソニックHDが開発中の試作品だ。独自の材料技術やインクジェット塗布製法、レーザー加工技術により、サイズ・透過性・描画の自由度が高い。YKK APはこれに対応する専用サッシ枠を開発し、断熱と発電を両立する「BIPV内窓」として製品化を目指している。施工性・メンテナンス性に優れ、外観への影響が少ない点も強みだ。
検証期間は約1年間。8階室内の既設の4窓に透過性やデザインの異なる4種類の試作パネルを設置し、施工性や視認性、意匠性を確認する。今回は回路接続を行わないため、発電性能の検証・系統連系は対象外だ。

ガラス型ペロブスカイト太陽電池による建材一体型太陽光発電(BIPV)内窓設置のようす
YKK APは実装場所の提供、内窓の設計・製作・設置、施工性の検証を担当し、パナソニックHDは太陽電池試作品の製作と設置協力、意匠性等の評価を担う。両社は本検証を通じて、外観を損なわずに建物を有効活用する新たなオンサイト発電ソリューションの確立を目指す。
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