住宅の高性能化が進む中、空調は住まい手任せにせず、設計者がきちんと設計することが重要になっています。本連載では森こうすけさん(ミライの住宅代表理事)が、住宅における空調設計のノウハウを解説。第4回目はいよいよ事例。個別エアコンについて解説します。(毎月30日号掲載)
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前回までは空調の基礎やエアコンの選び方について解説しました。しかし、これだけで空調設計が上手にできるわけではありません。空調設計では、空気の流れを正しくデザインできなくては家中を均一に冷やすことができないからです。読者の皆様も、エアコン1台での冷房計画に挑戦してみたけれども、どうしても“特定の部屋が暑い”と言われた経験がおありではないでしょうか。
今回から2回に渡り、実例をもとに空調計画を解説します。今回は第三種換気で壁付けエアコンの事例です。
「混ざらない」リターンが必要
壁付けエアコンは、床下/小屋裏エアコンとして配置されることも珍しくなくなってきました。どちらの場合でも、壁付けエアコンで最も大事なことは、空調したい空間の隅々まで暖気や冷気が運ばれ、そして役割を終えた後は、エアコンから吹き出した暖冷房の空気と「混じらずに」エアコンに戻ってくることです。空間のどこかでエアコンから吹き出した空気と、エアコンに戻るリターンの空気が混ざると、そのエアコンで賄える暖冷房空間はそこで終わりです。
ご紹介するのは32坪・2階建ての「I邸」で、2階に設置した冷房用エアコン1台で1階まで冷やす計画です。エアコンは空気の移動によって冷気を運ぶ設備ですので、2階からの冷気が1階までしっかりと落下しなければなりません。また、1階に届いた冷気が仕事を終えた後に、冷たい空気と混じることなくエアコンまで戻ってこなければなりません。なので・・・
この記事は新建ハウジング8月30日号10面(2025年8月30日発行)に掲載しています。
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