経済調査会は6月20日、請負額などに影響を及ぼすリスク情報をまとめた「おそれ情報資料」を更新し、資材価格速報と最新の労務需給の調査結果を公表した。
これによると、6月調査時点の主要10都市の生コンクリート市況は、札幌と那覇で大幅上昇。札幌では1㎥当たり2万5000円、那覇では同2万500円となった。前月に大幅上昇した東京は同2万4050円で横ばい。依然として生コンクリート価格の上昇傾向が続いている。先行きは、新潟で強含みとなる見通し。
異形棒鋼の市況は、仙台・新潟・東京・福岡で下落、その他の地域は横ばいに推移した。最高値の札幌は1㎏当たり120.0円、最安値の広島・福岡は同93.0円となっている。先行きは、横ばいが予想される札幌を除くすべての地域で弱含みとなる見通し。

生コンクリート・異形棒鋼の価格推移
最新の労務需給状況は、建築工事は全般的に「均衡」、設備工事は「ややひっ迫」水準での推移が続いている。建設費高騰の影響で工事の計画中止や延期が見られるが、労務の需要は依然として高く、すべての工種でひっ迫傾向に転じると予想される。土木工事は不足感が弱まったが、今後夏場に向けて工事量が増加するため、型枠工と交通誘導員で不足感が強まる見通し。

建築・設備工事の労務需給の推移
リスク情報を集約・提供
2024年12月の改正建設業法の一部施行により、工事受注者が注文者に対して契約前にリスク情報を通知することが義務化された。これを受けて経済調査会では、公式サイトにリスク(おそれ)に関する資料を集約した「建設資機材等おそれ情報」特設サイトを開設。主要な資機材や特定工種の労務のうち、価格高騰や供給不足・遅延が生じる可能性があるものについて「おそれ情報」として提供している。同サイトでは他に、災害復旧資材の供給情報がダウンロードできる。
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