総務省は2025年度、都市と地方に生活拠点を持つ「二地域居住」の普及に取り組む自治体への財政支援に乗り出す。情報発信や居住体験といった事業を後押しするため、経費の5割を特別交付税で手当てする。地域との継続的な関わりを持つ「関係人口」の拡大を通じ、地方の活性化につなげる狙いだ。
総務省によると、二地域居住に関心を寄せる人に対応するため、相談窓口を設置したり、短期間のお試し居住体験を実施したりする自治体が増えつつある。支援策を通じ、そうした取り組みを広げる。
支援対象となるのは、二地域居住に興味がある人を呼び込むため、自治体が相談窓口の設置や地域の魅力発信などに当たる場合など。仕事場として使う共同作業スペースや居住体験施設を整備したり、住居用に古民家を改修したりする取り組みも後押しする。
居住を開始した人をサポートする自治体も支援。地域で副業や兼業を求める人を想定し、企業紹介やお試し就業プログラムといった人材マッチング事業にかかる経費を手当てする。居住者からの相談対応や地域住民との交流機会づくりを担う現地コーディネーターの採用も財政措置の対象とする。
二地域居住を巡っては、促進するための制度創設を盛り込んだ改正法が昨年11月に施行された。石破政権が看板政策に掲げる「地方創生2.0」の「基本的な考え方」では、東京一極集中への対応策として位置付けられた。
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