旭化成ホームズ(東京都千代田区)のLONGLIFE総合研究所は、1975年に二世帯住宅を発売してから50周年を迎えたことを機に、「築20年以上二世帯同居のくらしと住まい方の変遷」に関する調査を実施した。調査は、長期にわたる二世帯同居の実態と、親世帯退去後の空間活用の実情を明らかにしたもの。
二世帯住宅「ヘーベルハウス」の居住経験者を対象としたアンケートでは、築年数にかかわらず約9割が二世帯同居に「満足」と回答した。築20年以上の長期同居経験者においても、高い満足度が維持されている。満足の背景には、経済的メリットや育児・介護のサポートといった実利的な要因に加え、約8割が「親と過ごす時間を持てている」「親孝行ができている」といった情緒的価値を挙げた。
築20年以上の二世帯住宅では、親世帯が退去したケースが約6割に達し、その理由は逝去や施設入居が大半を占めている。親世帯の退去後のスペースについては、71%が子世帯による活用と回答。孫への継承は16%、賃貸としての活用は3%で、未使用はわずか8%だった。この結果から、二世帯住宅は親世帯退去後も資産として有効に活用されていることがうかがえる。
子世帯による空間活用は多様だ。収納のみに使用しているケースはわずか4%に過ぎない。一方で、半数以上が居住スペースとして生活全般に使用しており、寝室、趣味の部屋、在宅ワーク用の個室など、居室として活用する人が約3割。これは親世帯スペースが、子世帯夫婦のライフステージの変化や多様な暮らしに合わせて、生活領域を広げる空間として積極的に活用されている実態を示している。
旭化成ホームズは調査結果から、二世帯住宅が家族の絆を深め、長期的に高い満足度を維持する住まいであることを再確認したと報告。親世帯退去後も柔軟に活用される「余白を持つ住まい」は、暮らしの変化に持続的に対応し、長く愛される価値を育むものだとまとめている。
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