2025年の夏、日本列島は強烈な暑さに襲われた。観測史上最高、桁外れの暑さに、いわゆる高性能住宅なのに「暑い」「エアコンが効かない」と言われた――そんな声もちらほら聞こえてきた。“高断熱なのに「暑い」”は本当なのか、新建ハウジングでは工務店などを対象にアンケートを実施。結果、3割が今夏、室内の暑さや湿度に関する問い合わせや相談を受けていたという。【編集部】
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暑さ対策のアップデートが急務
まずは今年の暑さを振り返ってみよう。気象庁によると、今年6~8月の全国平均気温は平年比プラス2.36℃。統計を開始した1898年以降、最も暑い夏となった。全国の気象台153地点のうち、夏の平均気温が歴代1位となったのは132地点に上り、8月5日には国内観測史上最高の41.8℃を、群馬県伊勢崎市で観測している。
暑さや湿度に関する問い合わせ・相談が「あった」と回答した31.9%(22社)の状況をみると、“最新の基準に沿ってつくられた十分な性能を備える住宅であっても、暑さや湿度に関する相談・問い合わせが寄せられている”という実態が浮き彫りとなった。記録的な猛暑による“想定外の暑さ”が、住宅の性能や空調(冷暖房)方式、“夏の住み方”など、「これまでの常識が通用しない」という難題をつくり手(工務店)に突き付けている。
住宅の引き渡し時期では、最多が「2~5年以内」で50%、次いで「1年以内」が27.3%と、築後間もない住宅が大半を占める。新しい基準・法規制に沿っているのは当たり前として、地球温暖化の影響による近年の猛暑化傾向などについても、十分に意識が浸透している状況で建てられた住宅ということになる。
実際に断熱性能をみても、高性能住宅の目安となる断熱等級6・7が6割を超え、快適な温熱環境を確保しようという意図が反映されている。加えて5割超は付加断熱も施しており、軒の出の確保や外付けブラインドの設置といった暑さ対策として有効な日射遮蔽も7割以上が対応している。
これまで業界では長い間・・・
この記事は新建ハウジング11月20日号1面(2025年11月20日発行)に掲載しています。
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