国土交通省はこのほど、「建設業法施行規則」「入契法施行規則」の一部を改正する省令案の概要を公表した。この改正は、公共工事などに従事する建設業者が適正な原価を確保し、労働者の環境を保証するために行うもの。適正な施工を確保するために不可欠な経費や、原価に満たない金額を請負代金の額とするための正当な理由、保存義務の対象となる営業図書の追加などについて定めている。
省令案は12月5日までパブリックコメントを実施した後、12月上旬に公布、12月12日に施行する予定だ。
適正な施工を確保するために不可欠な経費については、建設業法の改正法(第20条1)に基づき、①法定福利費(建設工事従事者の健康保険料など)、②安全衛生経費(建設工事従事者の安全・健康の確保に関する経費)、③建設業退職金共済契約の掛金―を請負代金に組み込むことを定める。
また、「材料費等記載見積書」を作成した場合は「材料費等記載見積書」、さらに建設工事の請負契約締結の前に行った注文者との「打ち合わせ記録」を営業に関する図書として保存する(写しも可)。「打ち合わせ記録」については、請負契約の当事者が相互に交付したものに限られる。
他に、併せて行う「入契法施行規則」の改正により、建設業者が提出する「入札金額内訳書」の記載事項として上記①~③を明確化することも求められる。
原価割れ契約に“例外”も
建設業法(第19条3)では、原価に満たない不当に低い請負代金による契約締結を禁止しているが、改正規則では以下の場合にのみ「正当な理由」として認める考え。
▽通常価格よりも安価な資材をすでに保有しており、それを建設工事に用いる場合
▽先端的な技術や蓄積された知識、技術、技能を活用することで工事原価が抑えられる場合
▽緊急の必要、やむを得ない事情により原価に満たない金額で請負契約を締結せざるを得ない場合
■関連記事
目前に迫る法改正 工務店が気を付けたいポイントを整理
改正建設業法の関係省令、13日一部施行 ガイドライン類も改訂
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。



























